【大紀元日本5月18日】北京近郊で花の栽培で生計を立てている47歳の甄偉仲さんを当惑させていることがある。2千株のジャスミンの卸値が昨年の3分の1に暴落していることだ。「売っても損をする」と嘆く甄さんは、ジャスミンの花がどうして人気がなくなったのかは分からない。
10日のニューヨーク・タイムズ紙は、甄偉仲さんの悩みをこう伝えた。中国では「ジャスミン革命」の呼びかけが伝わって以来、「ジャスミン」が禁句となり、胡錦涛主席がかつて歌った「1輪のジャスミン」の映像もネットから削除された。毎夏開催される「中国国際ジャスミン文化祭」のイベントも今年は中止となり、北京周辺では、ジャスミンの花の販売は禁止されており、いつ解除になるのかもわからない。
売れずに萎れていく花が知らないのは、自分たちの「受難」は、「ジャスミン革命」の呼びかけに怯える中国当局の「ジャスミン弾圧」に起因するということだ。今年2月から、中国当局は、民主活動家や政府批判ブロガー、潜在的な「トラブルメーカー」に対する連行・拘束の頻度を高めた。著名な芸術家・艾未未(アイ・ウェイ・ウェイ)氏もその被害者の1人になっている。
北京市孫和北東花市場のオーナーたちも「ジャスミン弾圧」の洗礼を受けている。オーナーたちは、地元の警察からジャスミンを販売しないという声明書に署名するように要求されており、さらに、ジャスミンを買う人が現れたら、車のナンバーを控えて当局に報告するように指示されている。
ジャスミンの「凍結令」について、警察は「造反する」人たちにとって、ジャスミンの花は「象徴的な意味」をもつという説明に止めているという。市場のほとんどのオーナーは「ジャスミン革命」の呼びかけも、ジャスミンの「人気急落」の本当の理由も知らない。
ジャスミン「凍結令」に関する具体的な情報がない中で、様々な噂が一人歩きしている。北京の南側に位置する花市場では、ジャスミンが日本の放射能汚染を受けたから販売禁止されたという卸業者もいれば、 ジャスミンに人を死なせる有毒物質が含まれているから販売禁止になったということを耳にした、米大使館横の大型花市場で花を売っている女性もいる。