【大紀元日本5月16日】国家海洋局の李暁明・海洋環境保護局長は13日、福島第1原発事故に伴う放射能汚染水の放出を受けた海洋モニタリングで、日本海の東側海域に観測船を派遣することを検討していると発表した。中国国内でのこの報道は、ネットユーザーからの注目を集め、「まず自国の海産物の測定をするべき」「自国の食卓にあがっている『毒』さえモニタリングしていない状態なのに」など、多くのコメントがネット上に寄せられた。最近中国国内で続発する食品安全問題に対して、国民が政府に反発している状況が窺える。
14日付の中国紙・京華時報の報道によると、李局長は日本の近海へ観測船を派遣する理由として、「日本の核放射能漏れ事件は西太平洋に長期的な汚染を引き起こしてしまった。チェルノブイリ事故による放射能の放出量は、日本の今回の事故の4分の1に過ぎないのに、20年後の今でもモニタリングしている」と述べていたという。
ポータルサイト網易で転載されたこのニュースに、読者は報道された李局長のこの指摘が事実ではないと気づき、「チェルノブイリは日本の4分の1って?反対でしょう。さすが中国の専門家だね」「今のいわゆる専門家は、街中をほっつき回る野良犬の数より多いね」などと皮肉った。
また、「(日本の)排他的経済水域は海岸により近いため、遠海の放射能データよりも、(同地区での測定データの方が)精確でしょう」という李局長による「日本海の東側」についての説明に対しては、「軍事行動を狙った一石二鳥ではないか」「海水モニタリングではなく、軍事行動の言い訳ではないか」と推測するコメントも見られる。
報道の当日に寄せられた約300のコメントには、最近中国国内で続発している食品安全問題への反発が最も多く見受けられる。次はその一部。
河北省石家荘市のネットユーザー:
-「海産物か。幹部さんたち、お先にどうぞ。我々は(貧しくて)手が出ない」
この発言に広東省恵州市のネットユーザ「人民万税」が次のようにフォロー:
-「いやいや、幹部たちが食べる海産物は、南極から運ぶんだよ」
これをさらにフォローするコメント:
-「そりゃそうだ。ついでに茅台酒(マオタイしゅ:中国で最も高額な名酒)を2ボトル呑もう」
幹部が招待先で茅台酒を大量飲酒して死亡したという、最近話題の事件を隠喩して、幹部の腐敗を皮肉った。
広東省深圳市の[stywocaonim]さんの発言:
-「今から測定するって、遅くない?汚染された海産物はすでに皆のお腹に入っていることだろう。ただ、メラミン混入の乳製品、クレンブテロール混入の豚肉や、地溝油などをたくさん食べたおかげで、私たちはずいぶん免疫力がついたから、汚染された海産物を食べても、大丈夫」
遼寧省瀋陽市の[guanshan.2006]さん:
-「まず自国の食品の毒性を測定しなさい。国民を毒することをやめてから、ほかのことをやろうよ」
山東省臨沂市 の[lyldfgzs]さん:
-「行くのは賛成。『城管』を派遣しよう」
『城管』とは中国で都市秩序の維持管理を執り行う部門。路上での商品販売や屋台を営んで生活を賄い、貧しい人に対して暴力をふるったり商品を没収したりして、併せて罰金を科すことで悪人の代名詞になっている。
また、「耳が痛い話だが、北京市の放射能レベルは実は現在の東京よりも高い」「中国が測定したデータは信用できない」などの発言も見受けらける。
さらに政府幹部の腐敗問題を暗喩して、「政府は、訪問すべき時期には訪問しませんでした。大した安全問題のない今、日本に遊びに行くための言いわけでしょう。歌舞伎を見たり、秋葉原で家電製品を買ったりして、茅台酒を数本持っていって日本で温泉に入るといった予定かな。本気で安全性を憂えているのなら、自国沿岸部を測定し、適切な措置を取って欲しい」「一番危険な時期にどうして行かなかったの?そうか、今夏のショッピングシーズンだからか」「国内の被災した人々の問題さえも解決していないのに、何で日本に行くの」「そんな時間があれば国内の腐敗幹部をしっかりモニタリングしろ」など、政府への不信や腐敗への恨みを表すコメントが多く見受けられる。
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