【大紀元日本5月6日】香港在住の企業家、70歳の王文金さんと妻は、今年2月から毎日国連本部の前で陳情活動を続けている。数十億元(1元=12.3円)の資産が中国当局に強奪されたと訴え、国連の司法裁判所による仲裁を求めている。
王さんの証言によると、19年前の1992年、香港で投資招致のキャンペーンを行った、山西省省長の甘い言葉に誘われ、王さんは外国人投資家として、山西省で1200万元(約1億5千万円)の資本金で、銅鉱を発掘する会社「高際洛家河銅鉱」を独自で設立した。
「3年後、ようやく太陽の下で輝く銅鉱を発見できたのだ」と王さんは当時の状況を語った。
「あれから、國際市場では銅の需要が伸び続け、その価格が毎年大幅に上昇する一方だった。いまでは2~3万元/トンになっている。2009年には、同銅鉱の年間総生産は2億元(約25億円)に達していた」と王さんは言う。
この巨額な利益が災いを招いてしまった。「山西省垣曲県政府は、外国企業に銅鉱を採掘させるのは、売国行為であると言い出して、中国企業に経営権を譲るよう通告してきた」と王さんは当時の状況を振り返った。さんざん悩んだ末、1995年に王さんは一部の経営権を同県政府に譲り、政府との合弁企業「金徳銅業有限公司」に変更した。双方が巨額の利益を山分けする手はずだった。
災いはここで終わらなかった。4年後の1999年、同県政府は「企業の民営化」との理由で、一部の経営権をもつ「金徳銅業有限公司」を県の高官の個人会社に無償譲渡した。
「多くの外国人投資家はこのよう撃沈された」と王さんは自分のホームページで嘆いている。
このときから王さんは、最高指導部に対して、陳情を始め、13年間の長い道のりが続いた。
2006年、北京の「対外國際経済貿易仲裁委員会」は王さんの勝訴を判決した。だが、勝訴はしたものの判決が執行されることはなかった。ある現地幹部は「執行してほしいなら、軍隊を連れてくるしかない」と堂々と暴言を吐いたという。
昨年5月の上海万博の期間中に、王さんを含む香港や外国籍の投資家らは、警察当局に国外への強制退去を命じられた。「これ以来、中国入国は禁止された」と王さんは語った。
病を抱えていながら国連本部前で陳情する王さん、「長年の陳情で私の体を蝕んでしまった」と無念さを語り、国連司法裁判所に自分の案件を受理してほしいとして、陳情書を国連総長に渡したという。「いまだになんの返事もない」
一方、5月3日から、米国在住の投資家・何さんも国連前での陳情活動に合流した。何さんの山西省での巨額投資も、現地政府の官民結託で取り上げられたという。何さんは取材に対し、「中国で投資する外国人投資家の被害真相を、絶対に国際社会に知らせなくてはならない」と訴えている。
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