土地収用でまた大規模暴力事件 住民「党による強奪」=福建省

2011/04/12
更新: 2011/04/12

【大紀元日本4月12日】中国福建省福州市近郊の村で、政府の強制的な大規模土地収用があり、動員された武装警察とこれに反発した住民との間で衝突が起こった。米政府系メディア・ボイスオブアメリカ(VOA)によると、この事件により多数の負傷者が出ているという。

7日午前9時ごろ、スタンガンや発煙手榴弾、防護用盾を装備した1000人以上の武力警察が、工業用車両や消防車に乗って収用地に指定されたこの村に強引に突入した。反発した年配者を含む住民らは、警察から殴る蹴るなどの暴行を受けた。

さらに警察は、催涙弾で住民らを強引に退散させ、工業用車両で畑の野菜を根こそぎ掘り起こし、土をならす作業を始めたという。

住民の呉秀華さん(女)はVOAの取材に対して、「これは土地収用ではなく、共産党による強奪だ」と憤りを隠せない。呉さんは、「2点xun_ネ内に畑の農作物を撤去するように、との通達を6日に受けたが、(期限前の)翌日にすべての土地が収用されてしまった」と嘆く。また、この取材を受けた10日現在に至っても、武装警察はまだ村周辺で警備をしており、移動させられた住民たちが近づけば、すぐさま取り押さえられてしまうのだという。

福州市の中心部から15キロ離れたこの村では、商業や工業利用のため、数年前から強制的な土地収用が行われている。1300畝(約3万9000坪)あった村の土地は現在、100畝(約3000坪)しか残っていない。多額の移転補償金が村の行政幹部らに着服されるなどの汚職事件も重なって、庶民たちの不満が高まっている。

(翻訳編集・高遠)