【大紀元日本3月22日】中国南京市では19日、千人近い大学生と市民らが市の図書館前で静かな抗議デモを行った。地下鉄建設のために、南京市のシンボルである百年の歴史を持つ並木通りのアオギリを処分するとの当局の決定を阻止するためである。民主と自由の権利を求めるジャスミン集会の市民活動が中国各地で広がっている中、この行動に当局が神経を尖らせ、警察が少なくとも5人の抗議者を連行したという。
ジャスミンからも応援
海外中国語メディア「看中国」の報道によると、中国政府は、今回のデモを「境界線の外の敵対勢力」が画策したものと見なして、地元のメディアの報道を禁止している。
実際、中東の民主運動の波から影響を受けて2月下旬から中国各地で広がっているジャスミン集会活動の呼びかけ人と自称するネットユーザーが、ネット上で南京市民のアオギリ守衛活動を応援しようと各地の民衆に呼びかけた。これを機に再び街頭に出て指定の集会場所に集まって散歩活動を行ない、ジャスミン集会を再開しようと呼びかけた。
参加者から寄せられた情報によると、早朝から図書館周辺に多くの公安が配置されていて、午後3時頃に、市民がぞろぞろと集まった。ほとんどが若者で横断幕や旗もなければスローガンもない。抗議者らは互いに微笑みを見せて階段に静かに座り込んだという。階段が人でいっぱいになった時点で公安は図書館前広場を一時封鎖した。
今回の行動のシンボル-緑色のリボンをつけた若者(ネット写真)
また、香港メディアによると、公安らが現場の様子を写真に収めようとした抗議者からカメラを奪おうとしたが、周りの抗議者に止められた。複数の公安が学生とみられる女性の手首から緑色のリボンを取り外すよう強要した際に、体当たりしたことで、抗議者の怒りを買い、一時騒然となったという。公安は最終的にデモに参加した抗議者たちを現場から追い散らそうと強行した。転倒したりカメラを取り押さえられたりした人もいた。
処分中止
アオギリは1920年代に、国民党政権の時代に南京市に植えられて市の木となった。今回の処分事件に対して、台湾国民党立法委員・邱毅氏も抗議した。千人の市民の座り込みを受けて、当局は急きょアオギリの処分を中止した。
2009年8月に就任した季建業・南京市代理市長は、共産党政権樹立60周年記念のために実績を上げることに全力であたり、市の主要道路整備を行った。今回のアオギリの処分もその道路整備計画の一環のようだ。また、昨年7月28日、道路整備工事で地下のプロピレン配管を破壊し、負傷者300人、内56人が重傷を負う大爆発事故を引き起こした。
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