【大紀元日本3月1日】政治と経済状況とも混迷や不安が続く日本は、これからどこに向かうのか。この国の再生に国民全体の意識向上が必要として、(社)東京青年会議所は22日、『国家再生フォーラム~国民が描く理想の社会ビジョン~』を開いた。元内閣総理大臣・安倍晋三氏がフォーラムで基調講演を行ったほか、独立総合研究所代表・青山繁晴氏がスピーチした。
安部氏は、消費税を引き上げる以前に、日本国内の生産力を向上させることが長期にわたる国庫収入を安定させる要だと指摘。一方、青山氏は、海外市場はグローバルな視野が必要とし、中国市場はあくまでも1つの選択肢であり、他の市場、たとえばアフリカ、南米などとの自由貿易を充実させるべきだと主張した。また青山氏は日本の青年に対して、経済利益を追求するだけではなく、国家理念をしっかり築くべきだと呼び掛けた。
安倍氏は、日本が抱える内政及び外交問題についても言及。特に850兆円の累積債務の減少に対して問題提起し、生産力を強化させることが極めて重要であると述べた。国民が日本の国債問題は経済破綻に追い込まれたギリシャの後を追うと懸念していることに対して、日本国債の95%は日本人が保有しており、その上、円建てでもあるためデフォルト(支払い不能)にはならないと分析した。さらに、消費税の引き上げは実際の問題解決にならないとし、技術力を強化して経済成長をさせるべきだと主張した。
また、日米安全保障や沖縄米軍基地問題について、解決には日本憲法を改める必要があるとの見解を安倍氏は示した。現行の憲法は連合国軍占領下で連合国によって制定されたもので、現在の日本の安保状況に合っていないことから改めるべきだと指摘。それを実現させるために、2007年に憲法修正のための法律を改めた、と述べた。
22日、日本独立総合研究所代表の青山繁晴氏(右)が東京青年会議所奥山理事長と対談(大紀元/曹景哲)
一方、長年ジャーナリストとして活躍した後、政府側の総合エネルギー調査会及び原子力委員会の委員を務める青山繁晴氏は、安倍元首相の憲法改正に同調し、「10年後は日本国民が決定した新しい日本憲法がなければならない。2700年の日本歴史の神話の中から、私たち民族の哲学や理念をくみ取りたい」と意見を述べ、日本の青年は国家理念をしっかり築くべきだと示した。
また経済において、中国市場はあくまでも1つの選択肢として考えなければならないとし、アフリカ、南米などとの自由貿易関係を築くべきだと指摘した。日本から中国に対する巨額な投資は中国の現状を改善することはできないし、場合によって、中国での「黒い経済」に同調しかねないとの考えを示した。また、これらの状況をもたらしたのが日本の教育だとし、国家と正義を考えない経済利益のみ追い求める教育は改めなければならないと強調した。