【大紀元日本1月4日】中国成都市綿陽区の富安デパート前で26日午後6時頃、外国車(アウディ)に乗った4人組が2人の通行人を殴ったことがきっかけで、大勢の見物人が集まり交通が一時麻痺状態に陥った。手を出した4人組の中の女性は「私は役人だ。訴えるなら、訴えてみなさい」とまくしたてた。この発言は瞬く間に地元のネットに広がり、「『おれのおやじは李剛だ』(うちのパパ偉いんだぞ)のノリだ」という内容の書き込みが殺到した。
現場の目撃者・李さんによると、前に進もうとした外国車が、デパートの前の通行人に向かって、突然クラクションを何度も強く鳴らした後に急停車し、中から4人の男女が降りて来て、2人の通行人と口論になったという。いきなり体当たりの喧嘩となり、2人の通行人は4人組に押しのめされる形となった、と当時の状況を語っている。
群衆の中に警察に電話をする者がいたが、手を出した女性はいきなり「私は役人だ。訴えるなら、訴えてみなさい」と激しい剣幕でまくしたてた。周りの見物人はこの横柄な態度に対して謝罪を求めたという。
一方、被害者の王さんは事情聴取で、夫と一緒にデパートを出た瞬間、クラクションを鳴らされ、道を譲る間もなく、4人に喧嘩を売られて殴られたと語っている。
中国紙・成都商報によると、しばらくして数十人の警察が現場に到着し、4人を警察の車に乗せたが、被害者2人と群衆が道を遮り、容疑者らにその場で謝罪を求めた。4人が応じなかったため、2時間にわたる対峙の後、男性がようやく車から降りて、一礼して謝罪をした。その後、地元公安局の巡回特別警察分隊隊長が現場に駆けつけ、事がようやく収まった。公安局は被害者と4人の身元、車の保有者などを調査確認しているという。
2時間にわたる対峙の後、男性がようやく車から降りて、一礼して謝罪した(ネット写真)
多くの警官の護衛の下、警察の車はようやく現場を去った(ネット写真)
一方、ネットでは「おれのおやじは李剛だ」と親の権力を振りかざす事件のノリだとの書き込みが多数あった。また、「本来は人々に貢献するはずの公権力が私利私欲の道具に変異してしまったため、権力に頼ってしまう。権力者の権力を制御し透明化しなければ、同じ悲劇が繰り返されるだろう」との書き込みも見られた。