【大紀元日本12月29日】江蘇省塩城市にある朱瀝溝河の架橋が25日午後、運搬船が衝突したため、崩壊した。これまでに死傷者は出ていない。ここ数年間、同橋は船舶による衝突事故がほぼ毎月のように起きており、4年前から崩壊の危険性が高いと問題視されていたが、地元当局は対応策を取っておらず、放置されていた。
中国紙・揚子晩報によると、25日午後1時10分ごろ、石炭を積んだ徐州市銅航運輸公司の「銅航023号」が橋の下を通ろうとしたとき、船のロープが橋の壁から露出していた鉄筋に引っかかり、バランスを崩して激突し、橋が破断したという。
崩壊した商侍大橋は長さ約60メートルで、幅約5メートル。両岸の住民が往来する主な通路であり、川は運搬船の航路として毎日多くの船舶が行き来しているという。
地元住民・王さんは、事故当時、ゴーンという大きな音で昼寝から目が覚めた。外に出てみると架橋が中央部分から崩れており、落下した橋の約20メートルの部分が通過中の船舶の先頭をつぶしているのを見た、と証言した。
また別の住民・鶴栄さんによると、「運搬船が橋に激突する事故は頻繁に起きているため、早かれ遅かれ崩れることは予想していた」と話し、さらに「(地元では)4年前から危険度の高い橋と考えられていた」と明かした。通行する船舶の積載量は300トン以下と決められているが、往来する運搬船はセメントなどを運んでいるため、規定を遥かに超えて1000トンの荷を運ぶことが日常茶飯事だという。重量オーバーのため、走行方向をうまく制御できないことで橋との衝突が起きている。
以前から問題視されていたこの橋が崩壊したことについて、地元政府と地元安全監査局は互いに責任転嫁を繰り返している。安全監査局の韋主任は大紀元の取材に対し、市政府に何度も修繕用助成金を申請したがそのつど却下されたと主張した。橋の再建築も検討されてきたが、1千万元(約1億2千万円)の最建築費について、見通しが立っていないという。
商侍大橋は両岸の住民にとって重要なライフラインであり、橋を渡り野菜や肉類の生鮮食品を購入するのが日常だったが、通行が断たれた現在、一部の食料品は入手困難になっている。また、子供たちも対岸にある学校に通えなくなっている。住民らは当局の対応の遅れに怒りを見せ、通常の生活を取り戻せるよう早急に対策をとってほしいと訴えた。
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