「影響力ある人物100人」に人権活動家 肝試しの広東紙、内部粛清へ

2010/12/16
更新: 2010/12/16

【大紀元日本12月16日】知識人を読者層とする広東省の地元紙「時代週報」はこのほど、中国当局から内部粛清を命じられた。12月13日に報道した「当世で最も影響力のある人物100人」に、人権擁護者や民主活動家が選ばれていたためである。発行された新聞の大半は回収され、公式サイトの関連報道も削除された。

香港紙「リンゴ日報」によると、広東省メディアを管制する同省宣伝部のトップは、外部からの注目を避けるため、今回の内部粛清は控えめに行うことや、新聞の発行を中止しないことなどを指示している。

同紙の発行部数は約3万部で、主要読者層は現地の知識人やサラリーマン。内部関係者によれば、今回の内部粛清は主に同紙の経営陣を対象とする。関係者は当局に抗議するため、集団辞職も辞さない構えだという。

問題の報道に関わった一人の編集者によると、報道が出された当日は北京の最高指導部は気づかなかった。国外メディアの報道によって問題が表面化し、中央宣伝部の怒りを買ってしまったという。

ランキングにリストアップされた趙連海さんは、新生児用粉ミルクのメラミン混入事件の被害者の父親である。被害者への補償問題や、事件原因の究明などを訴えて、集団訴訟を発起させた一人である。今年11月、北京市裁判所は、社会秩序を騒乱した罪で、趙さんに有罪判決を下し、懲役刑2年半を言い渡したばかり。

もう一人の入選者・姚立法さんは民主選挙の制度を推奨し、幹部の汚職問題などを暴露し続けている民主活動家である。入選に感謝の意を表しながら、同氏は次のように語っている。「実生活で奮闘する中で、様々な厳しい困難に直面するが、絶対に自分の信念を捨てない。憲政や法制、民主、人権のある社会がそれほど遠い目標でないことは、はっきりしている」

(記者・駱亜、翻訳編集・叶子)