【大紀元日本12月15日】米国内に4500店舗を構える靴のチェーンストアPaylessを経営する靴製造業グループの「コレクティブ・ブランド(Collective Brands)」は13日、生産拠点の一部を中国からインドネシアへ移転すると発表した。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙によると、同グループの最高経営責任者(CEO)マット・ルベル(Matt Rubel)氏は、中国での製造コストの上昇が理由で、経済成長しており労働賃金の安いインドネシアへ移ることにしたという。
同氏によると、現在中国での靴生産量は同グループ全体の80%を占めているが、2年以内に70%に引き下げ、さらに60%まで減らす予定だという。一方、インドネシアでは、来年15のチェーンストアをオープンするのに伴い、生産量も2015年までに年間1200万足に増やす見込みだという。
家庭用品大手メーカーのユニリーバや、食品大手のネスレ、またトヨタ社などの外資大手が相次いてインドネシアに進出するブームの波に乗った決定だとFT紙は報じている。
もはや廉価労働力ではなくなった「世界の工場・中国」を離れる同業の外国企業として、ほかにナイキ(Nike)、ニューバランス(New Balance)、アディダス(Adidas)が挙げられる。これらの企業は、インドネシアのほかベトナム、インドへと生産拠点のシフトを展開している。インドネシアのマリ・パンゲストゥ(Mari Pangestu)貿易相は今年1月、靴メーカーが中国からインドネシアに工場を移転する傾向があることを発表している。
一方、日本企業の中国離れはすでに数年前から始まっており、特に衣料品、トイレタリーの製造業界などは、東南アジアを製造工場の移転先および新たな投資先としている。日本貿易振興機構(JETRO)によると、三菱重工業は昨年9月、ベトナムに三菱エアロスペース・ベトナムを設立した。日産自動車のCEOカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)氏は、中国での生産状況を変える予定はないとしながらも、インドネシアでの生産規模を倍増する計画を発表したという。