【大紀元日本12月11日】ノルウェー現地時間10日午後、オスロの市庁舎で、今年のノーベル平和賞授賞式が開かれた。受賞者である中国の反体制者、劉暁波(りゅうぎょうは)氏も家族も出席できず、空席の椅子が会場に置かれ、74年ぶりの「主役不在」の式典となった。現地の各国大使には中国から授賞式に不参加するよう要求があったが、65カ国のうち48カ国の大使など約千人が列席した。
授賞式を受け、中国外務省は10日夜、「いかなる国や人が、ノーベル平和賞を利用して中国の内政に干渉し、中国の司法主権を侵害することに固く反対する。我々の正義の立場は世界100余りの国と重要な国際組織から理解と支持を得ている」との談話を発表した。
また、共産党紙人民日報系の「環球日報」も当日朝、「今日のオスロはまるで邪教の中心地」との社説を発表した。「今日、オスロで『中国を審判する』という茶番劇が上演される…ヨーロッパで中国の囚人を礼拝する盛大な怪しい儀式を行うのだ」「邪教組織の中で行われる茶番劇は、欧州の文明世界で堂々と登場しているのだ」と激しく批判。ノーベル平和賞の授賞式を通して、委員会は中国のダークサイドを証明することが狙いであるとしている。
同社説はまた「多くの発展途上国が授賞式の参加を拒否したことは、中国の影響力を証明するもの」として、ノーベル委員会の決定を支持する「西側の世論は世界の世論を主導できない」と批判した。
さらに最後に「明日の中国は依然として中国であり、トラブルに対応する力が強くなっているだけだ。今日の授賞式は終わりではなく、新たな審判の始まりだ。それは、ノーベル委員会に対する歴史の審判」と結んでいる。
一方、同社説に対する読者のコメント欄に「現在の世界は我々を除きすべて西側であることは知っているでしょう」「この社説に孔子文学賞を授けるべきだ」と皮肉った発言が見受けられる。
平和賞授賞式に先立ち、中国は急遽(きゅうきょ)「孔子平和賞」を設立し、9日に北京で授賞式を行なった。北京政権に親近の態度を示す台湾の連戦・国民党名誉主席が受賞者に選ばれ、10万人民元の賞金を授けられたが、台湾にいる本人は受賞に選ばれたことは知らないと発言したという。ノーベル平和賞に対抗する目的と見られる同平和賞の授賞式も同様、受賞者不在となり、代わりに6歳の少女がトロフィーを受け取るという「茶番劇」となった。
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