【大紀元日本11月18日】深せん市の大亜湾原子力発電所で発覚した10月23日の放射能漏れ事故が、 同原発の運営会社・香港中華電力有限公司により、11月15日にようやく発表された。事故隠蔽の疑いがかかっている。6月にも同様の隠蔽工作が発覚されており、香港市政府内からは、非難の声が上がっている。
香港中華電力有限会社傘下の香港核電投資有限公司が、記者会見で発表したところによると、先月23日に1号発電ユニットを点検した際、冷却水用の鋼管から2カ所の亀裂が見つかり、微量の放射能漏れが発見されたという。
この発表に先立ち、一部の香港メディアはすでに放射能漏れ事故の情報を入手し、中華電力有限公司に対して事実確認を行ったが、返答は得られなかったという。
また、今回の事故は重大事故ではないことを示す「一級事故」と判定された。
事故隠蔽については、二級以下の事故を公表する必要はないという国際慣例に従って処理している、と同有限公司は隠蔽を否定し、「事故をすべて公表すると、狼少年になりかねない」と述べた。
今回の事故はここ半年間で3度目。5月にも原子炉内で冷却水の放射能濃度が上昇したと報じられ、運営会社は「市民の健康への影響はない」ことを理由に、公表は事故の2週間となった。
今回の隠蔽について、香港政府の立法委員は、度重なる隠蔽体制を批判しており、設備の老化が進むにつれ、今後事故が多発する恐れがある、と懸念を示した。
また、専門家は今回漏洩した放射線量2マイクロシーベルトは、人間の年間放射能被爆許容量1マイクロシーベルトを上回るもので、人体に影響を与える可能性があると指摘している。
同原発は香港からわずか50キロしか離れておらず、香港市政府も 多発する事故に神経を尖らせている。 同市政府は、中華電力有限公司が遅れて事故を公表するやり方に「賛成できない」とし、 事故の処理方法について改善を求めていく考えを示した。