強制移転に抗議 武装警官に暴行される 村民ら、土下座で懇願=貴州省

2010/10/28
更新: 2010/10/28

【大紀元日本10月28日】中国貴州省貴陽市近郊でこのほど、地元政府による家屋強制移転の暴力事件が発生した。移転に同意していない多くの住民が武装警官に暴行され、重傷者が多数出た。政府の組織的な暴力行為に、一部の住民は土下座して懇願したという。

目撃者によると、貴陽市近郊の王家寨の農民は代々農業で生計を立てている。1年前から、現地政府は農民の宅地と農地を不動産開発業者に売却し、不動産開発業者から農民に支払われるはずの賠償金を一部着服した。結局、農民が受けた賠償金は周辺地区の住宅販売価格の半分にも満たないため、家を買えないでいる。そのことから、多くの農民は家屋の移転に同意していない。

9月に、200人余りの正体不明の暴漢が村にやってきた。全員大きな刀を振り回して、家屋移転の同意書に署名するよう農民を脅した。

現在、村では200世帯のうち、約50世帯がまだ同意書に署名していない。

10月21日午後2時頃、地元政府は公安、武装警官約千人を率いて村に入り、家屋の強制取壊を始め、双方が激しく衝突した。武装警官は警棒で農民を暴行し、数十人が負傷、そのうち7、8人が重傷を負った。一部の住民は政府の組織的な暴力行為に、土下座して穏便なる対応をお願いする場面もあったという。

現地の情報提供者が匿名で本紙の取材に応じた。その証言によると、警察から暴力を受けた1人の70代の女性は一時危篤状態に陥った。「武装警官は釘付きの警棒で彼女の頭部を殴った。釘が頭に入ってしまい、手術して取り出した」という。

この情報提供者の話では、現地政府は今回の暴力事件が外部に漏れるのを防ぐため、負傷者の入院を阻止し、自宅で点滴治療を受けさせているという。

周辺地区の住民も政府の暴力行為に怒っているようだ。彼らは食糧を寄付したりして被害農民への支援に乗り出している。

本件について、本紙記者が現地政府に電話取材を申し込んだところ、対応に出た幹部は、上級政府の許可がなければ取材を受けないと答えた。

(記者・古清児、翻訳編集・叶子)
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