【大紀元日本10月25日】24日午後4時ごろ、遼寧省大連市で、今年7月に大規模な爆発事故が起きた大連新港にある中国石油のパイプラインが再び炎上した。火災は、9時間後の25日午前1時にほぼ鎮火したという。今回の事故による原油の流出はないとみられるが、事故現場は大連市の化学工業団地内にあり、前回の事故でも危惧された有毒化学品への炎上拡散の恐怖が、再び地元住民を襲った。
中国広播ネットなどの中国国内メディアの報道によると、事故は、前回の爆発が起きた103号タンクの解体作業時に起きた。タンク内の残油が、分離作業で発生した火花により引火し炎上したとみられる。作業を担当する中国石油遼河油田建設集団の副総指揮・李明輝氏は国内メディアに対し、炎上したタンク内の残油が少ないため、燃え広がることはないと説明したほか、石油が海上に流出することもないと述べた。
一方、新華ネットは記者の話として、現場は当初激しく燃えており、火元も1カ所ではないと報じていた。370名の消防士と70台の消防車が出動し、9時間かけてようやく鎮火できたという。
今回の爆発について、ネット上では報じられているが、大連の地元テレビ局は報道することはなかった。7月16日に同場所での爆発事故で明らかになった大連市の基幹産業・石油化学産業の実態がもたらした恐怖が再び市民の間で広がることへの防止措置だとみられる。
爆発が起きた103号タンクから半径100メートルの範囲には、51の液体化学品のタンクがあり、うち16は有毒化学品のタンクであり、更に事故現場の化学工業団地内に毒性の強いパラキシレン大型工場があるようだ。国内メディア・経済観察ネット7月23日付けの報道によると、これらの化学品が爆発したら、半径100キロは瞬時に平地に化し、有毒ガスが広範囲に拡散する、と公安部の消防専門家が警告していた。
また、地元消息筋の話によると、7月16日の15時間に及ぶ消火活動は一時、有毒タンクへの炎上が防げないと絶望視され、市政府の幹部らの家族は密かに大連市を離れる措置を取っていたという。
「大連は中国有数の環境の良い都市とされてきたが、パラキシレン工場の建設や頻発する爆発事故により、有数の危険都市になってしまった」と地元市民は憂慮している。有毒化学品が大量に貯蔵されている工業団地内で3ヶ月間に起きた2回の大規模火災。そのずさんな管理体制が問われるなか、地元住民の恐怖はつのる一方だ。
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