【大紀元日本9月21日】浙江省金華市では17日午後、市内の廃棄化学工場の貯蔵タンクから強酸廃液漏れの事故が発生した。濃度70%の強酸廃液8トンが漏洩し、一時、周辺の地域に赤い色の有毒ガスが漂った。現時点では、この事故による死傷者の情報は入っていない。
「中国放送網」の報道によると、最初の通報者は廃棄工場と道を一本挟んだ紡績会社の従業員だったと消防隊員が説明している。
午後3時32分、事故現場の周辺にガスが漂い始め、道路両側のマンホールからも赤色の濃煙がもうもうと噴出。少し離れた場所では、地上を漂う空気が黄色に染まった。事故発生地点の近くでは鼻を突く刺激臭のため、通行人はむせて咳込んでいた。熟渓路の現場は更に深刻な状況で、周囲は有毒ガスで赤く染まり、付近にいた人々は目の痛みを感じたという。
事故が発生した廃棄化学工場は、肥料生産に従事していた。4年前に工場は蘭渓に移転したが、当時、原料として使われていた強酸廃液が、今でも数基のタンクに残留している。タンクは露天に置かれているため腐食が進み、以前にも廃液が漏れ出したことがあった。しかし、今回ほど深刻ではなかったという。
今回の漏洩が発生したタンクは、直径約4メートルで容量は100トン。中には10トンの強酸廃液が残留していた。主な成分は硫酸、硝酸、塩酸。現場の専門家によるとこれらの酸は揮発し易く、強度な刺激性と腐食性を特徴とし、皮膚に付着すると火傷になるという。
(翻訳編集・坂本)