中国が代表団を米国に派遣 戦略的購買を展開か

2010/09/20
更新: 2010/09/20

【大紀元日本9月20日】米政府が人民元為替政策に政治圧力を講じる中、中国は政府関係者と企業経営陣からなる代表団を米国に派遣して、「金銭外交」を展開している。

英紙「フィナンシャル・タイムズ」(FT)によれば、中国商務部(日本の経済産業省にあたる)の副部長が率いる中、政府高官と企業経営陣からなる50人の代表団は、現地時間15日に米国に到着し、米国製品の仕入れを始めた。

同内容について中国国内の報道は見られない。FTの報道を中国国内のいくつかの財経サイトが転載した後、ネット利用者らの中国当局への不満の発言がネット伝言板で飛び交わされた。

一方、同日、米国議会で公聴会が召集され、人民元の切り上げに関する調査が始まった。ガイトナー米財務長官は同公聴会に対し文書を提示、6月からの中国側の人民元の切り上げの努力は「緩すぎて……非常に限られている」と陳述した。同日、オバマ政権は、世界貿易機関(WTO)の規則に違反したとして、WTOに中国を提訴する2つの案件を新たに起こしたという。

FTは、為替政策による中国の不公平貿易の優勢を解消させるため、米国議会では立法を通して中国に懲罰措置を取るべきとの意見がますます強くなっていると報じた。

1970年代に米中両国が貿易関係を回復して以来、中国政府はよく戦略的な仕入れを外交の手段として用いてきた。2004年、中国の為替政策への非難が始まった頃、中国政府は代表団を派遣して製品仕入れを行った。昨年、中国の輸出激増により欧州連合との関係が悪化した時期にも、中国は再び同様の策略に出た。

(翻訳・叶子)