巨大土石流災害地で 手抜き工事に住民が抗議=中国甘粛省

2010/09/20
更新: 2010/09/20

【大紀元日本9月20日】先月、巨大土石流の災害で少なくとも1700人以上の死者を出した甘粛省舟曲県で、約100人の住民が16日、決壊した砂防ダムの手抜き工事が災害を引き起こした原因だと訴え、県政府前で抗議活動を行なった。官民双方が激しい論争を繰り広げ、政府職員の説明に不満とする民衆が横断幕を広げ抗議した。

香港紙・明報によると、当日午前9時、今回の災害でほぼ9割以上の死者を出した月圓村の生存者を含む100人近くの住民らが県政府に赴き、災害原因について質問した。県幹部は「天災」と回答したが、請願に来た民衆が県長の目の前でダムに使用されていたコンクリート片を素手で粉々に握りつぶしてみせると、幹部は「調査結果を出すには3か月を要する」と言い直した。この事が民衆の不満を煽り双方の間で激しい論争が引き起こされた。

午後12時ごろ、怒りを露わにした被災地区の民衆が政府建物の門前広場で横断幕を広げ抗議を行った。抗議に参加した薛さんは「早期に建設されたダムは問題がなかったが、ここ数年のうちに建設されたダムは全て決壊した。手抜き工事が人々に被害を与えた。死んだ身内のために正義をただす」と話した。

8月7日深夜、暴雨により200万立法メートル近い土石流が同県の主要河川の上流から溢れだし、上流のダム7か所すべてが決壊した。流れこむ土石流は同県の中心地の3分の2を埋め、多くの死者を出した。当局の報道では死者は約1700人だったが、現地取材の海外メディアや民間の説では1万人ほど。当局はこの事件について「天災」であると説明しているが、民衆は「人災」であるとし、政府に対し何度も調査結果を求めている。

(翻訳編集・坂本)
関連特集: