【大紀元日本9月17日】尖閣諸島沖で起きた海上保安庁の巡視船と中国漁船の衝突事件をめぐって両国の関係が悪化しているのを受け、日本外務省は15日夜、来週ニューヨークで行われる国連総会で両国首脳が会談しない方針を明らかにした。
日中首脳の対立を回避するため
英BBCの記事は外務省幹部の話を引用して伝えた。「解決の糸口が見つからない中で、中国側に会談を申し込んでも断られる可能性が大。無理して会談にこぎ着けたとしても、双方の首脳を対立させる場になりかねない。今、日中双方に首脳会談を実現させる意思がない」と同幹部が会談を見送った理由を述べた。
11月に横浜で開催されるアジア経済協力会議(APEC)に、中国の胡錦濤国家主席が出席する予定で、「そのとき、尖閣諸島問題が一段落するか、中国側の対応次第」と外務省の幹部は言う。
大使の早朝呼び出しへの抗議か
2001~06年の間、小泉純一郎元首相が靖国神社を参拝し、日中関係が冷え切ったという状況下でも、日本側は国際首脳会議中に、両国首脳会談の実現を模索していた。今回首脳会談を開催しないという異例の決定は、民主党の外交路線をアピールする狙いがあるほか、先週丹羽宇一郎中国大使が早朝4時に中国側に呼び出されたことに対する抗議でもあるとBBCは分析する。
日本の各マスコミは事件後、中国側は5回も丹羽大使を呼び出し、そのうち1回は週末の早朝に行われたことに、外交上では異例なことと報じた。先週水曜日に行われた自民党の外交国防部会で佐藤正久部長は中国の対応を「極めて無礼だ」と批判した。
アーミテージ元米国務副長官の影響?
BBCはさらに、日本政府が今回の事件に対して強硬な態度を示し始めたことに、訪日したアーミテージ元国務副長官の影響があると見ている。
ブッシュ政権で国務副長官を務め、知日派として知られる同氏は先週、仙谷官房長官と会談した際、「中国は尖閣諸島問題で日本を試している」と指摘したという。
また、アーミテージ氏は中国の東シナ海での活動活発化について「西沙、南沙両諸島の領有権問題でベトナム、マレーシア、フィリピン、台湾に警告する意味合いも強いのではないか」と分析した。
アーミテージ氏は、日本記者クラブでの講演でも同じような見方を示した。日米関係がギクシャクしている中、中国が尖閣諸島で紛争を起こし、それをヒートアップさせたのは、日本がどこまで容認できるのかを試しているという。また、来週の国連総会の間に、日米首脳が共同声明を発表し、日米関係の今後の見通しを示せば、日米関係を離間させることができないというメッセージを中国に送ることができる。さらに、「日米安保条約」は日本の管轄下に置かれたすべての領土に適用することを中国政府に明確に知らせる必要があるとも、アーミテージ氏は指摘した。
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