【大紀元日本8月26日】カナダの華人テレビ記者が8月13日、駐トロント中国領事館に中国入国ビザを申請したところ、パスポートが領事館館員に押収された。カナダ外務省は速やかにカナダのパスポートを返還するよう、駐トロント中国領事館に要求した。
新唐人テレビ記者・張兆培氏が8月13日、駐トロント中国領事館に中国入国ビザを申請した際、領事館館員は一枚の紙を渡し、勤務先、家族構成、個人の履歴などの個人情報を記入するよう要求した。
ビザ申請に必要なものではないとして、張さんはビザの申請を辞めても個人情報の提供を拒否した。しかし、領事館館員は、要求した情報を提出しなければ、パスポートは返さないと返答した。
「領事館がこのようなことまでするとは、まったく予想外だった」と張さんは当惑を隠せない様子だ。
8月18日、カナダ外務省スポークスマンは、カナダ政府はすでに中国の領事館に速やかに押収したパスポートを返すよう要求したと、大紀元記者に答えた。
外務省スポークスマンは、大紀元の報道でこのことを知ったと語り、「カナダのパスポートはカナダ政府の財産であり、中国大使館にパスポートを返還するよう、正式に要求した」と証言した。
中国領事館館員の意外な言行
パスポートを返すよう要求した張さんに対し、中国領事館館員は「警察に通告したければ、勝手にすればよい」と高飛車に出た。
このような未曾有なことについて、どう対応すればよいか、警察も戸惑う。「きわめてまれなケースで、これまで聞いたことがない」
カナダ政府パスポート管理部のスポークスマンは、「発行したパスポートの所有者はカナダ政府であり、パスポートを押収したら、政府に返還しなければならない」とカナダ政府の立場を明確に示した。。
カナダ政府は、張さんに仮のパスポートを発行し、事件が解決されるまでそれを代用としている。
カナダ法輪大法スポークスマンは、本事件は中国政府がカナダ政府の国家事務に干渉する一例にすぎないと指摘した。
法輪功学習者の張さんは、9年ぶりに中国に帰って家族に会う予定であった。2002年と2004年に、彼はシンガポールから中国に入国しようとしたが、いずれも北京と上海に到着した後すぐに強制送還された。入国拒否の理由として、彼が法輪功学習者だからだと告げられた。
今回はビザを発行してもらえないどころか、カナダ政府が発行したパスポートまで押収されてしまい、本当に意外だったと、張さんは言う。
張さんは、自分の日常生活がつねに監視されており、家族に干渉が及ぶのを避けるため、駐トロント中国領事館が要求した、家族を含む個人の詳細情報の提出を拒否したと、その理由を述べた。「彼らは、私の仕事や生活などあらゆることをコントロールしようとするにちがいない」