カビ米が銘柄に変身 工場関係者「業界では通常のこと」=広東省東莞市

2010/08/23
更新: 2010/08/23

【大紀元日本8月23日】中国各地で干ばつや水害が頻発し、米の価格の高騰が続いている。この状況の中、米加工業者が、カビが生えた古米を加工し、正常の米と配合して国産や輸入物の銘柄米として販売していることが、中国国内メディアの報道で明らかになった。

広東省東莞市樟木頭地区は省内最大の食糧加工地である。広東省の地元紙・羊城晩報は、樟木頭・農副産品交易センターにある米加工工場の責任者による、加工過程の説明を記載。それによると、1トンの「カビ米」の加工コストは約80元(約1千円)。需要が大変好調で、同工場の加工待ちのカビ米は約100トンだという。

記者が案内された同工場の200平方メートルの倉庫内では、袋に「広西優質米」「江西優質米」などと書かれた、各種の加工待ちのカビ米が山積みになっていた。白い米袋には黒い米虫(コクゾウムシ)がいっぱい張り付いている。中の米はすでに黄色く変色し、強烈なカビの匂いを発していた。数人の作業員が、このようなカビ米を次から次へと機械に投入。円錐の形をした容器が高速旋廻し、カビ米の表面を削り落していく。出口のじょうごでは白く変身した米がいろいろな銘柄の米袋に詰められていた。

比べてみると、加工前のカビ米は黄色で強いカビの匂いを発するが、加工後、表面は滑らかで白くなった。肉眼では正常の米と区別できないが、カビの匂いは残っているという。

加工前のカビ米(右)と加工後のカビ米(左)。肉眼では正常の米とはほとんど区別できないが、カビの匂いは残っているという(ネット写真)

加工工場のある従業員は、全国各地の米加工工場がほとんどこのようなカビ米加工を行っており、「1対1の割合で正常の米と配合する。できあがった米は、一般の消費者には品質の判別ができない」と語った。

(翻訳編集・叶子)