【大紀元日本7月9日】同じ公演を半月で2回鑑賞した後に、何の問題もない劇場の建て直しを指示したり、「外資100億ドルは誘致できる」といきなり豪語したり、北朝鮮の金正日総書記の判断力に問題が生じているのではないかと、韓国の情報機関がこのほど報告した。
金総書記の判断力を疑う証拠として、平壌中心部に位置する国立演劇劇場の建て直しが挙げられた。劇場の撤去は、金総書記が5月8日ここで「サヌリム」という劇曲を鑑賞した直後のことだった。この日の鑑賞は4月27日に次いで2回目だという。建て直しが命じられた劇場は2003年に補修工事が終えたばかりで、状態も極めて良好。7年しか経っていない建物の改築命令には、平壌市民も釈然としないという。「金総書記は脳卒中の後遺症が思った以上に深刻だとみられる」と、韓国安全保障関連部署の当局者は指摘した。
さらに、北朝鮮のデノミネーション(通貨単位の切り下げ)の失敗を引責する形で今年3月に処刑された前労働党企画財政部長・朴南基(パク・ナムギ)氏の親族や部下、計34世帯が、先月14日に8両のトラックに乗せられ、会寧市にある第22号管理所に送られ監禁されたと、韓国の対北支援団体「良い友達」(the Good Friends)が7日にソウルで情報提供した。第22号管理所は政治犯を収容する監獄として知られている。
この件は金総書記の指示によるものかどうかは不明だが、金総書記の指示でないとすれば、彼の政権への掌握力がすでに弱くなっていることを意味し、金総書記の指示だとしたら、彼の精神状態は疑わしいと同団体は分析した。
金総書記の異常行動について、韓国国家情報院の元世勲(ウォン・セフン)院長も、先月24日に行われた国会情報委員会の非公開質疑で、「脳卒中の後遺症により金総書記は記憶力が低下し、視察などでの話も論理的に合わないことが多い」と述べた。ジャガイモ農場を視察した時に、「ジャガイモばかり食べていないで、コメも食べなさい」と深刻な食糧難も忘れたかのような無茶な発言をしたと思えば、別の視察現場では、「経済状況が厳しいというが、外資が入ればすぐに良くなるだろう。100億ドル(約8兆8000億円)は誘致できる」と語ったという。
これまでにも、金総書記に認知症などの症状が見られ、書類の処理を速やかに行うことができなくなり、業務に空白が生じたと報じられたことがある。現在、金総書記の側近や三男金正雲(キム・ジョンウン)氏が舞台裏から徐々にステージに上がってきているものとみられる。