【大紀元日本6月27日】山東省濰坊昌邑市近郊の村で6月21日、土地の強制収用に反対する村民300人余りが地元政府関係者と衝突する事件が発生した。村民一人が政府の車に引かれて重体となった。それに怒った村民は政府の車数十台を取り押さえて、解決策を求めている。
「政府車両をこんなにたくさん押収して、なにか罪に問われるかもしれないので心配している。正直にいうと、我々は政府の復讐を怖がっている。いま、私たちの電話、インターネットは監視されている」と、本紙の取材に応じた村民は話した。
村民らによると、2ヶ月前、村民は地元政府から、国道建設のために村の土地を収用するとの通達を受けた。補償金が非常に少なかったため、村民らは同意書へのサインを拒否した。5月下旬、政府の工事関係者が大型重機を使って、農地などの強制取り壊しを始めた。村民らがその重機を取り押さえたため、工事は一時中断した。一方、家屋を取り壊された一部の村民はいま住む家を失い、豚小屋や養鶏場に身を寄せる家族もいるという。
しかし今月21日朝、村所在地の囲子鎮政府の幹部と工事関係者計2、3百人が60数台の車に乗り合わせて村に入り、再び土地の強制収用に取り掛かろうとした。反対する村民全員が集まり、双方が対峙した。
村民の宋さんは一台の政府車両の前に立ちふさがったが、その車にはねられて倒れてしまった。車は停車することなく宋さんの体の上を通過した。宋さんの手足は複雑骨折し、肋骨4本が折れて肺に突き刺さった。村民に病院へ搬送され手術を受けたが、いまだ意識不明の重体。
この状況に激怒した村民は、逃げようとする運転手を暴行、その車をボコボコに壊した。その後、政府車両22台をパンクさせて取り押さえた。現地政府にちゃんとした解決策を求めるためという。
当日夜7時頃、現地警察当局は村民に対し、加害者の運転手をすでに身柄拘束したと説明するとともに、村民の行為は違法であるとして、取り押さえられた政府車両の返還を命じた。
その夜、現地政府は数十台の車を隣の村に派遣して駐留させ、取り押さえられた車の奪還を図ろうとした。村民は夜通し車を見張り、周辺村の村民も応援に駆けつけたという。
事件発生後、地元メディアは圧力を受けて沈黙を保ち続けている。本紙の記者が町役場に電話取材したが、対応に出た関係者は、現在協議中であるとコメントしただけであった。