【大紀元日本6月18日】中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は15日、2009年度の年次報告を発表し、10年度に中国の銀行が、不動産融資リスクの上昇や、地方政府に対して「賢明でない」融資など7つのリスクに直面すると指摘した。
報告書では、2010年は不動産市場の不確定要素の増加につれ、信用リスクの潜在的危険性も上昇する可能性があると述べ、「個人向け住宅ローンを十分な審査なしで許可するケースが急増している」ことが原因とし、住宅ローンの不良債権化に警戒を示している。
同報告書によると、09年末までに不動産向け融資残高は7兆3300億元(約98兆円)まで膨らみ、昨年同期比38.1%増となっている。さらに、10年に不良債権の残高と比率の増加により、一部の融資が不良債権化する可能性が増えていると警告している。
劉明康委員長はこれまでも、融資の管理方針について、不動産セクターの融資リスクに特に注意を払っていることを繰り返し警告している。
政府は4月に、住宅価格をつり上げてきた投資用の物件購入を抑制するために、1軒目の住宅ローンの頭金は30%以上、2軒目の頭金は50%以上にするなど、住宅ローン規制を打ち出した。これらの措置を受け、不動産市場が低迷し、投資家のローン完済が困難になると見られている。不動産価格の下落がこのまま続くと、銀行への圧迫は避けられない。
大手ポータルサイト「捜狐」の掲示板に「安易に融資を許可した銀行こそ元凶だ」、「不動産価格の高騰は銀行のせいだ」、「中国は米国の二の舞を踏んでいる。アメリカのサブプライムローン問題が近いうちに、中国で再演される」など批判的な声が殺到している。
(翻訳編集・高遠)