【大紀元日本5月26日】ネット上の地図で水力発電所の所在地をマークしただけで罪を問われる可能性がある―中国政府はインターネットで自由に閲覧できるネット地図の利用基準を見直し、許可制を導入する方針を発表した。携帯電話やi-podでワイヤレスネットワークを通じて地図にアクセスした場合も対象となる。軍事機密の漏えいを防ぐ狙いだが、グーグルなど中国でネット地図サービスを提供する外国企業に不安定要素をもたらしている。
中国国家測量局のトップ責任者が、先日、国営テレビの番組で、オンライン地図で所在地をマークする行為を厳しく規制する方針を明らかにした。
国家測量局によると、現在ネット地図サービスを提供するウェブサイトは4万2千件あるという。一部のサイトでは、軍事施設を書き込んだことなどが問題視されており、当局は管理強化に乗り出している。国家測量局は6月からオンライン地図を提供するサイトを審査し、データ使用・機密保持の基準を満たしたサイトに許可証を発行する制度を導入する。12月までの期間、無許可で運営するサイトを閉鎖すると発表。
新規定には「サーバーを中国国内に設置し、IPアドレスを当局に報告すること」という文が盛り込まれており、本当の標的はグーグルアースではないかとの憶測もある。
グーグル社はこれまで、グーグルアースのサーバーが中国国内に設置されているかどうかの明言を避けてきた。
今年の4月、グーグルの衛星画像に軍事施設が書き込まれたとして、軍事愛好者が集まる「大型軍事関係論壇」の「月光論壇」の管理者が罰金5千元(日本円6万5千円相当)の行政処分を受けたことを中国中央テレビ局(CCTV)が報じている。
処分を受けた管理者は、「CCTVの報道のおかげで、IT技術の愛好者が集まる月光ブログも軍事愛好者の論壇となり、毎日平均28のアクセスしかない小さな論壇が大型論壇へと変容してしまった。月光ブログと月光論壇はまったく別のものだ」と月光ブログへの誤解を解くコメントを出している。
当局の規定と「月光論壇」への処罰に関しては、ネット利用者から様々な不満の声が寄せられている。ネット地図で書き込みをする利用者の多くは、海外で公開されているデータを中国語に翻訳して国内のサイトに書き込んだだけである。一部のインターネット利用者から「一般市民が軍事機密を知る可能性があるのか」「私たちも知っている情報なら、海外の専門家はとっくに知っているはず」と当局の罰則の正当性を疑っている。また、「グーグルアースを封鎖するためではないか」と当局の真意を探る発言も見られた。
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