【大紀元日本5月25日】米国と中国が外交安全と経済分野での協力関係を討議する閣僚レベルの「米中戦略経済対話」が24日に北京で開かれた。安保では韓国海軍の哨戒艦沈没に関する北朝鮮への対応、経済では人民元相場切り上げが焦点となる。しかし、中国側の報道によると、人民元切り上げ問題について踏み込んだ議論を行わなかったという。
大手ポータルサイト「新浪財経」は、「中米経済対話が開幕、人民元問題は焦点ではない」と題する記事を掲載し、「人民元切り上げ問題は今回の会議の核心ではないと双方が了解している」という内容だった。
それによると、会議に先立ち商務部と財政部は今回の対話の重点内容を公表する際、人民元問題に触れなかったという。また財政部は記者会見で中米両政府が人民元切り上げ問題について「静かに」話し合うことを望んでいると発言した。
国家発展改革委員会(発改委)対外経済研究所国際経済合作室の張建平主任も、「中米双方は人々の人民元切り上げ問題への関心を薄めようとしている」と発言した。
中国政府のこうした発言が自発的に人民元を切り上げるという動きへの布石だと見られている。
米政府高官の関係者の発言を引用した朝日新聞23日付の報道によると、米国側が「中国側から『圧力をかけるのをやめて欲しい。米国が圧力をかけ続ければ、我々は動くことができない。我々にも有権者(コンスティテュエンシー)がいる』と伝えられたという」。「米国側は、『圧力』をかけなければ、中国側が切り上げに動く意思を示唆したものと受け止め、切り上げを強く求める姿勢を改めた」という。
米国の圧力に屈して人民元を切り上げるのでは、国内の批判が必至だからと考えたのだ。
この一連の動きに呼応するかのように、胡錦濤中国国家主席は会議の冒頭で「イニシアティブを取りながら、コントロール可能でしかも漸進的に、人民元改革を着実に進めたい」と一見、当たり障りのないような発言をしたという。
イギリスのケンブリッジ大学経済学部講師の張煒氏は、この政府論調の発言が実は一種の了承を意味していると分析し、「中国政府は年内に人民元を切り上げるのではないか」と予測している。ガイドナー財務長官も「人民元改革問題に関して、中国政府は正しい方向に向かおうとしている」と発言に含みを持たせた。
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