【大紀元日本5月17日】住宅の高騰、物価の上昇、仕事のプレッシャー、環境汚染。多くの問題を抱える中国都市部では、ホワイトカラーの都会離れが増えている。7千人以上のホワイトカラーを対象に行われた調査で、8割が大都市から離れ、「偽りの幸福」に別れを告げようと考えていることが分かった。
中国紙「毎日新報」によると、過去3年の卒業生の就業所在地および移動状況のデータに対する分析によると、高卒が最初に仕事に着く場所は大都市に集中し、卒業後3年経っても、基本的にこれらの都市に勤務している。しかし今春から、中国の多くの大都市ではホワイトカラーのUターン転職がブームになっているという。
就職組が卒業後に大都市を選ぶ理由として、他の都市に比べて就職のチャンスが多いことが挙げられる。しかし、専門家によると、高卒組が初めての就職を大都市で希望することが競争の激化を生み出し、就職のチャンスを大幅に低下させているという。
ホワイトカラーの8割、「都会から離れたい」
ホワイトカラーが大都市から離れる理由として、住宅価格、プレッシャー、汚染の3つが挙げられている。都市部に住む6割以上のホワイトカラーが、高すぎる住宅価格や生活費に圧迫され、5割が仕事のプレッシャーや速い生活リズムなどでストレスを感じている。また3割以上が、大都市の生活環境は劣悪で、空気の汚染がひどく、混雑していると感じているという。
このほか、80%以上のホワイトカラーは、確実に就職できるならば大都市でなくてもいいと答えた。
ホワイトカラーがUターン転職を望む理由
若いホワイトカラーにとって、大都市で直面する最も大きな問題は住宅だ。天津で90平方メートルの部屋を買うには、少なくとも100万元以上(約1300万円)が必要。大都会を捨てて故郷に戻ったある男性は、「故郷に戻れば実家の暖かさを感じる事ができ、幸せに過ごすことができる」と話す。
生活リズムが速く、プレッシャーも大きな生活の中で、ホワイトカラーは自分を不幸だと感じているようだ。社会的優越感もなく、帰属感もない。プレッシャーで健康にも影響が出ている。統計によると、大都市で働く76%のホワイトカラーは「準健康」状態で、6割近くが「過労状態」だという。
また、多くのホワイトカラーは、小都市に就職し、事業に成功して家族を持つ同級生を羨ましく思っているようだ。
小都市に住めば、住宅や車を持つことができると考える人が増えている。ネットの掲示板には、「故郷に錦を飾るという面子のためだけに大都市に住み続けるべきではない」といった、大都市離れに賛成する書き込みが集中している。
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