【大紀元日本10月11日】中国当局が今月、派手に演出した60周年閲兵式典には、果たしてどれくらいの費用がかかったのか。香港紙「蘋果日報」9日付の評論は、費用の公開が国民に怒りと失望をもたらすことを中国当局は恐れており、数字は公表されていないと伝えている。
同紙の報道によると、中国の国家予算の運営は、世界で最も規制・監督に乏しく、これほど透明性に欠ける国はないといわれている。北京政府の最優先事項は、権力の強化、反対勢力の撲滅、政治実績のキャンペーンで、国民のための支出は後回しだ。
中国当局は昨年、およそ3千億元(約3兆9千億円)を費やし、史上最も贅沢なオリンピックを開催した。その費用のうち、警備だけでも31億米ドル(約3千億円)かかったと米紙「ウォールストリート・ジャーナル」が伝えている。
「蘋果日報」の評論では、華やかに仕立てた花車は1台およそ4千300万円、60台で約258億円に達すると算出している。さらに、ここ数か月のリハーサルを経て式典に参加した20万人に、1人1万元(約13万円)が支給されたと仮定すると、人員への支出だけで20億元(約260億円)という莫大なコストがかかる。また、今年の閲兵式典での警備費は、限られた資料から推測しても、50億米ドル(約4500億円)は下らないと伝えている。
同紙によると、派手な式典には、少なくとも、1千億元(1兆3千億円)が費やされたと推測されている。民衆は立派な軍隊、武器、華やかな行進と盛大な舞台を目にし、誇りに感じるかも知れない。しかし、汗と涙の税金が、こんなに使われてしまったことを知れば、その誇りは怒りと失望へと変わるに違いない。中国当局はこのことを知っているからこそ、費用を公開しないのだ、と評論は指摘している。
(翻訳編集・余靜)