【大紀元日本8月21日】先週11日、中国の新華社がウェブサイトのトップ記事に特別報道「新華視点:地方GDP合計額が全国GDP統計データより上回る現象の裏を探る」を掲げた。国家宣伝の権威機関である新華社が、当局が必死で守り通そうとするGDPの成長率に関するスキャンダルをメインに取り上げるのは異例。今まで水面下で激しく行われてきた胡錦濤派の中央政府と江沢民派との闘争がようやく表面化し、「江沢民主義者」を清算する幕開けとみられている。
「江沢民主義は、政治面では安定第一、経済面ではGDPを主導とする。90年代の中国は、江沢民時代に入ってから_deng_小平が亡くなる(1997年)までの7年間、江沢民主義が中国の政治・経済の主導思想となっていた。江沢民がGDPを好んでいるため、各レベルの官僚もGDPの増加を主導方針とし、担当地区のGDPの成績は自分の出世と昇級に直接つながる基準となった」。海外中国人記者傅芮嵐氏は自分のブログでこう分析した。
傅氏の分析によると、「GDPの数字=政治上の進級」という出世基準は江沢民時代の中国の官僚主義の特徴となった。江沢民主義の経済政策の下で中国経済は大幅な成長を記録したが、GDP値の偽造問題も顕著となった。新華社の報道記事によると、2006年の時点で地方GDPの合計値は中央の統計値より8048億人民元多かったが、2007年になるとその差額は1.25兆人民元、さらに今年上半期だけでも差額は1.4兆人民元に至っている。
こうした江沢民主義の影響で、官僚の腐敗は激化する一方で、貧富の格差は激しく拡大、環境破壊問題もますます深刻化している。
中国政府がこの数年間発表したGDP成長率は10%前後に達している。しかし、実体的な経済は変化しておらず、就業率も増えていない。経済バブルの破裂を避けるため、当局は宣伝機関を通して水増しのGDPを発表し、経済繁栄のイメージを維持することに必死だった。現在、新華社が自らGDP成長率の偽造問題を明らかにしたのは、経済バブルがはじける危機、国民の当局への不信感、官民対立の爆発を緩和するためで、胡錦濤派が代表する中央政府が、江沢民主義者を除去しようとする兆候ではないかとの見方が強い。
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