【大紀元日本9月25日】中国製餃子問題が未解決なまま、今度はメラミン汚染粉ミルクによる乳幼児の腎臓結石患者が多数発生したようだ。流石に当局も直ぐ反応し閣僚級の高官を含め各級の官吏を免職や処分等の手を打っているようだが、乳幼児が被害者なだけに問題は極めて深刻である。親達の不安も極に達しているのであろう。傷ましい事に既に数人の死者まで出ている由である。いくら人口が多いとは云え、5万人を越える乳幼児患者が発生すれば深刻な社会問題である。メラミン問題は以前から指摘されており米国向けペット用飼料から中国内外での養豚や養魚用飼料等も含めると被害は広い範囲に広がっている筈だ。何故、今まで放置されていたのだろうか。
新聞報道にはオリンピック期間中の情報統制が災いし、事故の公表や対策が遅れたと言う話もある。仮にそうであれば背景の如何を問わず、国策としてオリンピックを優先し人命よりも国家の体面に重きを置いた中国政府の愚策が被害を拡大したと言われても弁解の余地はない。中国政府即ち中国共産党がメディアを党の宣伝機関と規定して久しいが、民主主義国家ならマスコミが政府を遠慮なく批判するという牽制機能を備えているが、今回の事件ではいみじくも中国の制度面での致命的欠陥が露呈したというべきであろう。
閣僚級の高官の辞任や河北省の各級官吏の免職や左遷が伝えられているが、果たしてそれで本当に食生活の安全が確保されるのだろうか。巷間取り沙汰されている話、なにも大紀元に何度も報道されている化学物質による食品汚染や不衛生な食品問題に限らず、各級当局に盤居する貪官汚吏は勿論、生産や流通段階の企業家のモラルを徹底的に浄化しないと、この種の問題がもぐら叩きに終わる事は目に見えている。当局による一罰百戒の見せしめも所詮は中央政府によるトカゲの尻尾切りに過ぎないのではなかろうか。
胡主席や温首相が食品の検査や衛生管理の厳格化を真剣に考えているのは事実であろうが、国務院の方針自体が全て中国共産党独裁を前提としたものである以上は、汚職の摘発や綱紀粛正も十年一日の如くいつもの掛け声倒れになる公算が高いというのが万人の思いであろう。何れにせよ中国人が日付以外信用に足る情報なしと酷評する新華社や人民日報の公式報道だけを金科玉条とし中国共産党に都合の悪い情報には臭いものに蓋をする古色蒼然とした方策では国際的には勿論のこと国内社会の信任も最早得られまい。
残念乍、本邦でも汚染米問題が発生し大きな問題になっており、「目糞鼻糞を笑う」の愚は避けたいが、日本では少なくともマスコミが糾弾の先鋒になっているのが事実である。言論や報道の自由は避けて通れない。全ては、拝金主義が蔓延し、何でも有りの世相をもたらしたことに真の原因があろう。これは共産主義と民主主義の優劣以前の次元、即ち人道の問題である。共産党の領導達も権力は腐敗するという歴史の教訓に改めて思いを馳せ、民主化に踏み切るべきであろう。事態は切迫しており、まして報道の自由化には予算の必要もなく一片の通達で足る。脱党者の数も既に公表党員数の過半を超えた。国務院の歴史に残る英断を期待したいものである。13億の民は安定を望んでいるのだから。
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