【大紀元日本8月13日】北京五輪開幕前、福娃娃と呼ばれる大会マスコットが、中国各地で起きた天災と関係していると話題になったことが原因か、開幕式でマスコットらの姿はなく、これを疑問視する声が国内で高まっている。
これに対して、北京オリンピック組織委員会執行副主席兼事務局長の張偉氏は「開幕式は張芸謀監督に一任している」と組織委員会の指示ではないことを明らかにした。また、「マスコットは中国だけでなく、他の国でも大変人気があるので、開会式に姿を見せなかったからといって、その人気度を疑う必要はない」と強調。
しかし、オリンピック組織委員会もマスコットが開会式で姿を見せなかったことに怒りを感じている。オリンピック組織委員会が数年かけて多くの候補から選り抜き、やっと決まったマスコットであるため、組織委員会には特別な思い入れがあり、マスコット販売で3億ドルを超える収益が見込まれている。全世界の10数億人が視聴する開会式に姿を見せず、これまでの広告効果に水をさす形となり、今後の販売にも影響が出ることは必至である。
また、マスコットの出番を楽しみにしていた子ども達の保護者からも批判の声が上がっている。
1980年モスクワ五輪開会式で選手に挨拶するマスコット「ミーシャ」
これらの批判に対して、当事者の張芸謀監督は沈黙を守っている。地方紙の「広州日報」は8月9日、マスコットにビジネスの要素があるため、公益性をもつオリンピックの開会式に参加しないのが普通だという趣旨の記事を掲載し、張監督の決定を擁護した。しかし、これまでの五輪開幕式を調べても、1988年のソウル五輪、1980年モスクワ五輪など、いずれの開会式もマスコットが出演していた。理由は他にあるようだ。
張芸謀監督の真意について様々な憶測が飛び交っているが、一説によると、開会式の万全を期するため、天災と関連付けられている不吉なマスコットを排除したという。
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