【大紀元日本7月21日】北京オリンピックの開催が近づいて来た今、北京に滞在する全国各地の陳情者への取締りが当局により強化されている。現在、一部の陳情者は連行され、行方不明者も現れた。中央政府は最近、地方官員に「陳情を受付、妥当に解決」と命令したが、長年にわたる地方政府の不作為で、国民はだれも信用していない。社会矛盾の激化、政府への抵抗や抗議が強まる中、中国当局の不安と動揺が見える。
数日の取締りで、浙江省(県単位)陳情者・張美金さん、鐘正香さん、包生水さん、郭さん、徐江交さんが連行され そのうち徐江交さんだけが未だに行方不明だ。
連行された陳情者は70歳の高齢者が3名、陳情のために半年前に北京に来た人もいる、
徐江交さんの息子は「夕べ、母と電話で話をしていた時に、 母は警察に連行されたようです。連絡も禁じられたので、どうしようもない」と心配な気持ちを隠せなかった。
7月13日夜から、北京警察は北京南駅で大規模な取り締まりを行っている。毎晩連行される陳情者の人数は定かではないが、大体バスが何台も使われている。情報によると、20日まで、陳情者をすべて北京から追い出せという命令が下されたという。
徐江交さんは1991年に出稼ぎで故郷を離れた。所在地政府で「浙江省移動人口計画生育証明」(一人っ子政策による証明書)の手続きをしなかった。地方官員が徐江交さんへ賄賂を要求したが断られたため、怒った地方官員は「一人っ子政策」違反と言う名目で徐江交さんの自宅を取り壊し、財産を押収した。その時から徐江交さんの13年間に渡る、陳情の旅が始まった。
上海からの陳情者・呉玉芬氏は7月3日に北京から地元に連れ戻された。長寧警察署の地下室に閉じ込められ、丸一日、食事を与えられなかった。抗議した結果、女性警官に殴られた。現在は自宅に軟禁されている。
上海陳情者・呉玉芬さん
同じく上海の陳情者・謝さんは、警察により、10日間も監禁された、監禁されている間、7日間も絶食した。しかし、問題は解決されず、拘留期間が延長された。
上海の陳情者のところには、上海警察の警告が届いている。もし、オリンピック期間中に北京へ陳情しに行った場合。強制労働教養にされるという。
杭州の席伝喜さんの話によると、今回の大規模な取締りは北京五輪と深く関わっている。祝日の度に慣例となっている。陳情者の取締りのために、政府は大量の資金を投入した。庶民の権利が地方政府によって侵害されたとなれば、庶民は中央政府に訴えるほかはない。中央政府も訴えの事実を確認しているようだが、為す術がないようだ。国家陳情局局長は陳情者の話が80%事実だと認めたが、解決のしようがない。
席伝喜さんは、地方政府が庶民の権利を侵害し、社会の矛盾がエスカレートしていったと主張する。庶民は自らの利益を守るために中央政府に助けを求め、北京へ向かった。しかし、残念ながら、中央政府は庶民の味方ではなかった。結局問題は地方政府に戻されることが多く、陳情しても問題を解決できないと見ている。
中国メディアの報道によると、中央政府は今月から地方政府に「陳情を受付、妥当に解決」と通達した。地方政府に地方の矛盾を地方で解決するよう命じることで、北京五輪のイメージダウンを避ける考えだ。
(翻訳・侍傑)
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