街頭で少女に暴力、職権乱用の横暴さに民衆千人が抗議=中国広西省桂林

2007/12/15
更新: 2007/12/15

【大紀元日本12月15日】中国広西省桂林市象山区市の「城管」(都市の美観を保つ秩序整頓執行者)約20人が12月7日、安徽省出身の少女・蘭遠仙さん(16)に対して暴力を振るい、負傷させた。城管らのやくざのような暴力行為に抗議する民衆約千人が城管らを包囲し、周辺の交通は約2時間麻痺した。当局は警察官百人近くを出動させ、現場の秩序管理に当てた。

城管は大抵給料が低いか無給であり、特別な教育も受けておらず、勝手に罰金を取ったりするなどの職権濫用がよく見られ、暴力団的な振る舞いが目に余り、民衆の間では評判が良くない。

蘭さんの叔父によると、少女は現在も入院中であり、城管らに強く蹴られた胸は未だに痛みが伴い、食事が出来ない状態だという。また、加害者からは謝罪もなく、入院・医療費なども自費で賄ったという。

12月7日午前8時ごろ、蘭さんは食用油を象山区西門市場の肉まんの店に届けるために、電気自転車を店の入口に止めた。肉まんの店長によると、蘭さんが再び電気自転車に戻ったところ、通りかかった約20人の城管らは、蘭さんに対して50元の罰金を言い渡した。少女は不当な罰金と思い、支払いを拒んだ。これに対して、城管らは罰金を払わなければ電気自転車を取り押さえると言い、強引に蘭さんを座席から引きずり下ろした。蘭さんは抵抗したところ、城管の一人から平手で顔面を殴打され、胸を強く足げりされた。また、別の者が蘭さんの首を強く挟み押さえつけて、その隙に、電気自転車を彼らの車に強引に載せたという。

周辺にいた多くの民衆は、城管らの横暴な行為を非難した。少女の電気自転車を城管の車から降ろし、「城管を打倒、彼らはヤクザと同じだ」と叫んだ。

事件が発生後、派出所の警官が現場に駆けつけたが、抗議する民衆は千人ほどの群れになった。当局は完全装備した警官約百人を現場の秩序管理のために派遣しが、怒りがおさまらない民衆は加害者の城管らを2時間ほど包囲した。

近くにいた市民・梁さんによると、肉まんを買いに行った際、彼女が殴られている現場に居あわせた。梁さんは止めようとしたが、加害者らは「お前には関係ない」と言い、長さ2メートルの棍棒で梁さんの後頭部に目掛けて叩きつけ、梁さんのふくらはぎを思い切り蹴ったという。後に、梁さんと少女は共に病院へ運ばれたが、政府関係部門は何もせず無視し、医療費はすべて梁さんたちが自分で負担したという。

記者が象山区市景観管理局へ問い合わせたところ、関係者は「我々は人を殴っていない。城管グループが人を殴ったのだ。このグループは各部門から人を調達し、臨時に設立されたものだ」と語った。

地元政府のいかなる部門も未だにこの事件を処理していない。負傷者は今でも桂林市中医院で治療を受けている。

殴られ負傷した少女は未だに入院のまま

(記者・古清児、翻訳/編集・余靜)