【大紀元日本11月13日】中国製ビーズ玩具に有毒物質が含まれ、米国と豪州で健康被害が確認されたため、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月8日に回収を発表した。中国当局はその後、品質問題を認めた。誤って飲み込んだ幼児が一時的に昏睡状態に陥るなどの被害が米国と豪州で出ている。
米国側は、問題の玩具約420万個を回収した。AFP通信によると、CPSCは、化学物質を特定していないが、豪州で販売禁止になった類似の中国製玩具から、飲み込むと体内で、催眠導入剤「GHB」と似た物質が放出されることがわかった。
「中国国家質検総局」が11月10日、米国が回収した玩具とそのメーカーへの調査結果を公表、有毒物質の含有を認めた。
中国当局の調査結果によれば、この種の玩具は軟化処理後の樹脂の原料で型を作っているという。製造過程において、毒性のあるグリコール系の物質を軟化剤として使用し、含有量は約14・5%に達する。
問題の玩具は、北米ではカナダのスピン・マスターズ社が「アクア・ドッツ」として製品化し、豪州や英国では「ビンディーズ」という商品名で販売されている。直径0・5センチのビーズを花や動物などの形に並べ、水をかけると、ビーズが互いに吸着して固まる。いずれも、中国メーカーが生産しており、40数カ国に輸出されているという。豪州では、2007年の「トイ・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、人気商品のひとつ。
米国では11月10までに、少なくとも5人の子どもが問題の玩具を飲み込んだ後、こん睡状態に陥るなどの中毒症状を現れ、病院で治療を受けたことが判明。豪州でも被害が確認され、政府は11月2日から販売禁止を命じた。
(翻訳/編集・叶子、月川)