【大紀元日本10月24日】アメリカの3大インターネット検索エンジンのグーグル、ヤフー、MSNが数日前、中共に短絡されていたことが分かった。中国本土で18日、これらの検索エンジンを開こうとすると、中国国内の「百度」に接続されてしまうという。
中共政府は常にインターネットを監視・コントロールしようとしており、今回は5年に一度の共産党全国会議「17大」期間中に政府に異論を唱える者たちの反論を恐れるために行われた工作との見解があり、一方、これはアメリカ議会及びブッシュ大統領がダライ・ラマに対して勲章を授かったことに対する報復との分析もある。状況を調べるべく、メディア関係者がこれらの検索エンジンを実際北京で使ってみたが、19日時点ではグーグルに買収されたばかりのYouTubeを除き、すでに正常に戻った。
「17大」期間中、ネット監視強化
中国は現在、130万以上のオンラインサイト、1・6億人以上のネットユーザーを有するが、言論と掲載内容は当局に監視されている。北京で何か重要な会議が開かれる際は、ネットが妨害を受けることが以前からよくあったが、この現象は今回の「17大」期間中は特に表面化しているようだ。
検索エンジン・ラウンド・テーブル(インターネットサイト)は専門にネットの動向を研究している機構であり、「グーグル、ヤフー、MSNにアクセスしようと思っても、すべて中国国内の『百度』に回されている」と同機構のアナリストが話す。また、「17大」に関する内容であれば、タイトルがあっても、中身は開けないと言う。
国境なき記者団は10月10日、中国のネット専門家による研究報告「ネットの検閲フィルタリングは心臓へものを通すのも同然」を公開した。提供者の名前が公表されない前提で公開されたこの報告では中国当局がインターネット情報に加えたフィルタリングやモニタリング、そしてそれに費やした物的・人的資源について詳細に書かれている。
報告書では北京を例に主要ニュースサイトがどのように毎日監視されているかについて紹介した。また、フィルタリングされているキーワードに関しても実際の検索結果も載せていた。程度が違うものの、これらのサイトが実質、中国当局の強制に屈しており、敏感とされるキーワードに対して自ら避けていることも同報告書は示唆した。
国境なき記者団と中国人権維持ネットは「この監視システムは中国独特なもので、ネットの自由精神に対する侮辱だ」としている。
ダライラマの米国最高勲章授章への報復か
検索エンジンサイトのアナリストらは、この事件がダライラマがアメリカで最高勲章を受章したことに関わりがあると主張している。「これは百度の仕業との見解もあるが、我々は、これは単純に中共政府がアメリカに対する不満の報復にすぎないと思う」という。
グーグルは全世界で最大の検索エンジンであり、アメリカのグーグルで中国語及び英語で検索を試みたが、何も異変は無かった。一方、アメリカで中国国内最大の検索エンジン百度を開き、「ダライラマ」をキーワードで調べても、「関連内容が見つからない」とのメッセージが出るだけだった。