【大紀元日本10月19日】中国共産党第17回党大会開催期間中に、直訴者が北京中南海(人民の陳情を受付ける場所)前で70歳代の老婦人がガソリンを身体にかけて、焼身自殺を図ったり、天安門の金水河に飛び降り自殺したりしたことで、当局が悩まされ怒りを覚えた。そのために、北京当局は10月17日夜、北京市民に対して、直訴者らに部屋の貸し出し禁止令を出した。命令を反する大家に対して15日の禁固に処することが明らかになった。
北京駅南側の直訴村に夜を過ごした直訴者・石さんは、宿泊先を探しに出かけるところだ。石さんによると、これまでに天安門と中南海で直訴をした者らは全員拘束され、地元へ強制送還されたか強制労働収容所へ送られている。石さん自身も現在指名手配されているという。
旅館に宿泊している上海からの直訴者・張さんによると、北京当局は色んな場所を検査しているから状況は緊迫しているという。張さんは、町中に直訴者を取り締まる警察官が配置されており、地方からの警察官が多く、特に遼寧省からの警察の車は至る所にあると語り、警察官も悪いことをしているから、後ろめたさを感じて、車のナンバー・プレートを外したりしているという。
また、10月15日から戒厳状態になっている天安門広場や党大会会場周辺、主要道路の入り口や駅などに対して、直訴者・趙さんは、「2箇所の信訪局と最高裁判所を通ったときに、直訴者より取締り関係者数が多く、数百人にもいた」と語った。一方、最高裁判所へ通じる通りの両側に20~30台の取締りの車が並び停車している。信訪局の周辺も同様な警戒態勢を取っている」と語った。
実際、高等裁判所の前で陳情するために列に並んでいる直訴者に対して、地方警察らは、同じ出身地の直訴者を見つけ出すと、引きずり出して暴力を振るうのだ。張さんによると、多くの直訴者は今身を隠したりしており、出かけることを控えたという。
これに対して、直訴者の味方になった北京市民が増えた。市民の自宅の中に侵入して、直訴者を拘束したりし、町で直訴者を強制的に拘束しようとする警察に対して、その場で不法行為だと指摘したり非難たりしたという。
一方、連名書簡を第17回党大会に宛てた黒竜江省直訴者・劉杰さんは北京から四川省へ強制送還されたほか、王桂蘭も湖北省警察に連行され、湖北省に監禁されたという。王さんとの連絡を天網ネット責任者は、「昨日湖北地元公安が、王さんに国家転覆の罪で刑事拘留通知を渡し、湖北へ連れ戻した」と明らかにした。
第17回党大会開催期間中に、代表らが会場内で基層民主、特色のある社会主義や調和社会の建設を大いに論じて発表しているが、会場の外では大勢の公安と、直訴者を取り締る警察官らが、信訪局(民衆の陳情を受付ける場所)入り口周辺で各地からの直訴者を拘束したりしている光景は、強烈なコントラストをなしている。
会場周辺、天安門広場周辺の厳重な戒厳状態(大紀元)
(記者・古清児、翻訳/編集・余靜)
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