【大紀元日本10月6日】中国浙江省竜泉市の竜淵一村で9月25日、26日の2日間、地方政府が大量の農地を強制に埋めたて、農家を強制取り壊しする事件が発生した。現場に大量の武装警官が派遣され、農民らは抗争せず、法的手段による解決を探っている。
村民の証言に基づいた事件の経緯は次の通り。
今回の強制執行には、事前の通達がなかった。9月25日、武装警官や、民兵、作業員、政府関係者約千人が突然村に現れ、大型コンバイン1台、十数台のブルドーザーを使って稲畑、菜園を埋めた。ビニールハウスも全部壊された。埋められた稲畑は約14ヘクタールに達し、後半月で収穫できる。それによる農民の直接経済損失は400万元(約7千万円)に達するという。
翌日の26日、道路幅を広くするとの理由で、農民の家屋を強制撤去する通告が出され、当日に30数棟の家屋が取り壊された。家財道具の運び出しがすこし遅れたため、家と一緒に取り壊されたケースもあるという。
竜淵一村には約1300人の住民がいる。
強制取り壊された農民の家屋
2005年3月、現地政府はブルドーザーで野菜畑を埋めようとしたが、多くの農民が人間の盾を作って、ブルドーザーの前で寝込んだため、現地政府は取りやめた。同年11月、村民は弁護士の支援を受け、中央最高指導部に行政による再審議の申し立てを行い、受理された。2007年2月、最高指導部は最終裁決を下し、現地政府の農地徴収に不備があり、関連手続きの改定を命じた。農民は勝ち取ったが、現地政府は裁決を履行しないでいるという。
この村の農地の徴収価格は65元(約1千円)/平方メートル。この農地の上に建てられる不動産の販売価格は3000元(約5万円)/平方メートル。
ある農民は、「大勢の武装警官などが配置されている。我々が抗議しても負けるのは目に見える。法的解決に頼るしかない」と話した。
ここ数年、農地の強制徴収により、各地の農民による集団抗議事件が続発、流血に発展するケースも少なくない。同村の農民に法的支援を提供している張星水・弁護士は以下のよう見解を示した。
「地方政府は経済発展を口実に、農地を強制徴収し、不動産開発を行い、莫大な経済利益を得る。一方、農民に支給する補償金は極めて低く抑えられている。生存の手段・農地を失った農民らは、ほかの仕事口もないため、生活が窮地に追い込まれる。それは農民による土地問題の抗争が続発する根源であり、地方政府が法律に基づいて行政を推進しない限り、農民だけが法律に頼って問題解決を求めても、現状を改善
現地政府の豪華な役所
壊されたビニールハウス
砂で埋められる畑
強制埋立ての現場、武装警官が配置されている
収穫直前の稲畑は強制埋立ての対象
できない」。
(記者・古清児、翻訳/編集・叶子)