【大紀元日本9月29日】中国湖北省の10数県の民営学校教師ら6千人がこのほど、全国人大、胡錦濤・総書記、温家宝・首相宛に連名公開状を送り、中国共産党(中共)中央政治局委員で、湖北省委書記、湖北省人大常任委員主任・兪正声氏の罷免を要求した。
連名した教師たちは本紙の取材で、中国当局に対して、民営学校教師の年金、医療保険および賃金などの問題解決を訴える公開状の内容を示した。教師たちは政府に対して何度も直訴したが、まったく回答はなかったため、法的手段を取らざるを得なかったと示した。教師側の法律顧問・姚立法氏は本紙に対して、同省委書記・兪氏が就任してから、地元において一連の人権侵害事件が起きたと指摘し、多くの人権擁護者と直訴者が深刻な弾圧を受けたと訴えた。姚氏は、教師たちの抗議活動は公民の基本権利に基づいて行っていることから合法であるとし、外界へ湖北省6千人教師の生活難に関心を寄せるよう呼びかけた。
2007年9月20日、湖北省広水市、随州市の教師300人が直訴(民生観察工作室)
*教師を拘束、私有物押収
教師によると、潜江公安局は教師たちが連名した公開状を印刷した印刷会社を包囲し、教師たちが所有する資料ファイルを押収し、多くの県・市の教師代表は当局の尋問と恐喝を受けたという。
印刷会社の従業員によると、9月26日午後4時、潜江市公安局治安大隊は車両4台で会社を包囲し、数十人が社内から資料CDを押収し、経営者および従業員が呼び出され尋問されたという。会社側は終始、教師たちとの関係を否定し、ようやく解放されたという。
一方、教師代表の一人・黄楚玉氏は帰宅途中に警察に拘束され、令状も提示せずに、黄氏の私有物を押収し、押収した控え書類すら出さなかったという。また、教師代表の熊道信氏は、「帰宅途中に姚さんから電話があって、警察が私を捜しているから、注意するようにと連絡があった。私は直ちに車を替えて、携帯電話の電池を取り外して、資料をうまく処理した。帰宅後、携帯の電源を入れた突端、警察から自宅を離れるなとの警告が入った」と語った。前出の姚氏によると、他の教師も当局の尋問を受けたという。警察からは、連名公開状に署名してはならないと恐喝を受けたという。
*民営学校教師生活難、法的手段に訴える
姚氏は、民営学校教師は同県各地十数の市・県から集まったと説明し、国家より正式の教師資格を得た教師たちは、20~30年以上の教授経験を持っており、中国国務院および湖北省政府の規定では、教師たちは国営学校教師になるはずだが、兪氏が率いる政府関係者らは規定に沿って執行しないと非難した。
姚氏は、政府当局は教師たちの賃金の支給を延滞した上、賃金から各経費を引いたりしたため、教師たちの生活は困難に陥り、老後の保障もまったくないと訴えた。
*政府は教師資格を乱売、中国基礎教育が懸念
姚氏は、政府当局は国営学校に昇進すべき民営学校教師を解雇し、教師資格を有していない人を教師代理として雇ったと指摘した。また、学費および数万元の寄付金さえ払えば、卒業と同時に国営学校教師になれるとの約束で、中学校卒業生を高学費で募集した事実を明かした。姚氏は、相応の資格と豊富な教授経験を持ち、農村の基礎教育にとって不可欠な中堅の民営学校教師が、賄賂によって教師になった人に取って代わられてしまうことから、民営学校教師の権利を呼びかけると同時に、中国の基礎教育問題に関心を寄せざるを得ないと指摘した。
*民営学校教師、全国各地にて直訴の波
教師たちは劣悪な生活環境および勤務環境の下で、教育事業の発展に多大な貢献をしたが、当局の編成に入っていないため、中国当局から大量にふるい落とされた。生活や医療の保障もない状況で、近年、中国全国各地の民営学校教師たちの直訴活動が増えている。
ここ10年来、民営学校教師たちは自己の基本的な生存権を守るために、省・市政府関係部門を訪ねたり、上京して直訴したりしたが、結局は、当局による阻止にあい、監禁や強制労働を強いられる。家族が勤務先から解雇されると脅かされる事態も発生しているという。
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