【大紀元日本9月24日】第17回党大会を前に、中国最高指導部は再度、重要な人事異動を行った。胡錦濤・国家主席の側近が「中共中央弁公庁」の主任に抜擢された。中国問題の専門家は、今回の人事を経て、胡錦濤・国家主席の権力体制がさらに強化されたと指摘し、胡錦濤・江沢民の権力闘争が激化すれば、政権の崩壊に結びつく可能性を指摘した。
中国当局の政府メディア・新華社がこの人事異動を報道した。それによると、江沢民時代から「中共中央弁公庁」の主任を歴任してきた王剛氏が更迭され、令計划氏が後任に選ばれた。
令計划氏は山西省出身、胡錦濤・国家主席が共産党の関連組織・青年団のトップを務めるときから、その下で働いてきた。1992年から胡錦濤オフィスの主任を務め、胡錦濤・国家主席の身辺の世話をするなど側近中の側近だといわれている。
「中共中央弁公庁」は最高指導部において、重要な役割を担っている。最高指導部要人の安全警護などの重要事務を主管している。
中国問題の専門家は今回の人事異動について、10月に開かれる共産党の重要会議・第17回党大会を前に、胡錦濤・国家主席がさらに権力体制を強化するための方策であると分析した。
今年8月に、第17回党大会の代表名簿が公表された。江沢民・前国家主席の側近、身辺警護を担当した中央警衛局の由喜貴・局長と、息子・江綿恒氏が外された。それについて、中国問題の研究者は、江沢民勢力が著しく弱まっている兆しと指摘した。
北京市を巡回する兵士(Getty Images)
また、情報によると、胡錦濤・国家主席は今回の党大会で、自己の論調「科学発展観」を共産党の党規に記入する予定。胡錦濤が自己の路線を強調するためと受け止められている。大紀元のコラム作家・司馬泰氏は、「胡錦濤・国家主席が最近打ち出している一連の軍と最高指導部の重要人事異動や、江沢民時代の理論思想を覆すなどの動きから、胡・江の権力闘争は終焉に近づいている」と分析した。
米国政府シンクタンクの中国問題の専門家・石蔵山氏は、近年、中国国内で暴動が続発し、共産党離脱の運動も繰り広げられていると指摘し、このタイミングでの最高指導部内部の権力闘争の激化は、政権の崩壊に結びつく」とみている。