米国、年末まで豚肉2.7万トン中国に輸出

2007/08/28
更新: 2007/08/28

【大紀元日本8月28日】「豚藍耳病」は25省で発生が確認され拡大の様相を呈しており、豚肉の価格が高騰している。米国で精肉業最大手のスミスフィールド・フーズ社(Smith-field Foods Inc.)はすでに中国のある大手貿易会社と合意に達し、無添加飼料の豚肉6000万ポンドの(約2721万キログラム)を中国に年末までに輸出する。

米国では最高の販売実績額

報道によると、今回の契約はスミスフィールド・フーズ社が米国で販売した同様の無添加飼料の豚肉を中国に提供するというもの。ミズーリ大学で農業経済アナリストを勤めるグライムズ氏の分析で、2721万キログラムの販売量は最大の販売量で、米国で一日に処理される豚肉の4分の3に相当すると言う。

中国共産党の当局は疫病発生の情況を控えめに伝達することを企む

「ブタSARS」と言われている「豚藍耳病」、高病原性のブタウイルスで、現在中国で感染拡大し、豚肉の価格高騰をもたらした上、全世界に感染拡大すれば大恐慌を誘発するとして懸念されている。国際衛生専門家はこれがアジア史上最も深刻な疫病で、畜産業に大きな衝撃を与えると指摘した、変異した病原体が近隣諸国に伝染することにより世界的な発生を誘発することも不安を高めている。動物ウイルスの専門家らは、中国共産党当局の疫病発生の重大性を隠蔽し、関連する情報を封鎖していると厳しく批判し、過去のSARSの隠蔽と同様であると強く指摘した。

深刻な感染状況、村を閉鎖

「豚藍耳病」は珍しい伝染病で、豚繁殖・呼吸症候群(PRRS)とも呼ばれ、感染すると、高熱、呼吸困難、下痢と耳は藍紫色を呈する症状があがり、妊娠の雌豚は流産になりやすいです。

農業部は病気のブタに対して「殺さず、食わさず、販売せず、無公害処理」という対策を出したが、江蘇省のある農家よると、疫病が発生した村が村ごと閉鎖されたという。

3分の2のブタを失った45歳の養豚業者は「この病気は風のように、村から村まで、隅々に広がっていく。こんな事に会ったのは初めて。運よく免れる世帯はひとつもない」という。

25省で感染発生

「豚藍耳病」の猛威のため、農民は恐れて養豚ができなくなった。現在の江蘇省、山東省、河北省、安徽省の農村部で養豚する数は明らかに減少している。30%~50%の減少で、一部の村は80%以上減少を見せており、深刻な影響をもたらしている。

米紙「ニューヨーク・タイムズ」によると、中国の33省(県単位)と行政区で、25省がすでに発生しており、豚肉の値上がりを招き、今年7月に10年来の最高インフレ率に達した。現在、「豚藍耳病」の人体への感染については、はっきりわかっていない。