【大紀元日本8月16日】中国当局の江沢民元主席の息子・江綿恒と、その腹心、身辺警護を担当した中央警衛局の由喜貴・局長は、今秋に開会される予定の中国共産党第17回全国代表大会(以下、党大会)の代表に選出されなかった。国外の中国問題の専門家はこの問題に分析と見解を示している。ロイターは内部情報筋の話を引用、政権内部の権力争いを報じた。
中国軍部が公表した今回の党大会に参加する軍関係者296人の代表のうち、江沢民の腹心、中央警衛局の由喜貴・局長の名前はない。
今年、ガンで亡くなった「上海派」の重要メンバー黄菊の秘書が汚職問題で取調べを受けていることや、「上海派」のもう1人の重要メンバー、上海市元トップ・陳良宇は、共産党員の除籍、公職剥奪の処分に処せられ、司法審理を受けていることに加え、今回の江沢民身辺の最も重要な人物、前述の2人が党大会の代表に選ばれなかったことから、「中国当局の現最高指導者である胡錦濤・主席が党大会を前に、一層政権内における地位と力量を強化した」との見方が強い。
由喜貴は1989年、江沢民について上海から中央最高指導部に入りし、江沢民の腹心とも言われている。2002年の第16回党大会では、中央候補委員に選ばれた。
また、胡錦濤・主席は、江沢民・元主席に代わって、2002年の第16回党大会で、中共総書記の座に就き、2003年は国家主席に、2004年は軍のトップ・中央軍事委員会の主席になった。
中国問題の専門家は、いまの中国当局内部の胡錦濤と江沢民による権力闘争は、大規模な争いに転化する可能性はあまりないとみている。
米国政府のシンクタンクであるブルッキングス研究所のベテラン研究員・黄靖氏は、「陳良宇の国外逃亡した息子がマレーシアで逮捕され、自供したことで、陳の犯罪事実を裏付ける最も重要な証拠を提供した。すると、これまでに陳を庇護し続けてきた江沢民の側近である賈慶林、曾慶紅と江沢民本人も、完全に勢いを失った」と分析、このような背景において、江沢民は今回の第17回党大会の代表選びと、重要人事の任命に口出しできなくなったとの見方を示した。
一方、ロイター通信は、「中国共産党政権内部の権力闘争で、江沢民が率いる『上海派』の権力がさらに削減される証」と報じ、中国当局内部の匿名情報提供者の話を引用し、「由喜貴は、第17回党大会の中央委員になるのは絶望的で、閉会後に、中央警衛局の局長の座に引き続き留まるのは不可能」と報じた。今年上半期では、胡錦濤主席は、由喜貴を中央警衛局局長から更迭する予定だったが、政権内部の江沢民の残存勢力が、留任を強く要求したため、それに応じることになったという。
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