【大紀元日本8月14日】民衆から「太湖の護衛者」と称されている環境保護活動家の呉立紅氏=江蘇省宜興市周鉄鎮在住=は8月10日に地方裁判所で、「詐欺罪」と「脅迫罪」で3年の実刑判決を言い渡された。
呉氏の妻・許潔華さんは11日、弊紙の取材を受け、「夫は無実である」と訴えた。
許さんの話によると、呉立紅氏は法廷で始終自身の無実を強く訴えていた。「脅迫罪」の証拠として取り上げられた常州市のある集塵設備会社から受け取った1・5万元は、この会社の製品の販売を仲介した手数料であると、呉立紅氏は説明した。
開廷する前に、呉氏を支持する現地の人権活動家や農民たちは、当局により一時拘束され、裁判の傍聴は許されなかった。50あまりの傍聴席は、呉氏の親族以外、すべて政府部門関係者で埋められた。AP通信やニューヨーク・タイムズなどのメディア関係者は、すべて門前払いされた。
呉氏のある友人は、「開廷する当日に判決を言い渡されたことは、異見者に対する訴訟事件の中できわめて珍しい例であり、恐らく裁判が始まる前にすでに判決が決まっており、当局は以前から呉氏に恨みを抱いており、この機に鬱憤を晴らしたかったのではないか」と話した。
江蘇省の人権活動家である張建平氏は、「呉氏に対する訴訟案は、政府の腐敗を明らかにしたのと同時に、政府部門と関連企業が結託して環境保護者を打撃したようなものだ」と指摘した。
さらに、張氏は「呉氏が環境保護の名義でお金を脅し取ったとすれば、現地の企業に深刻な環境汚染問題が存在していることを認めているようなものだ。それでは、政府の環境保護部門はなぜ摘発しないのか。 どうして問題を放置しているのか。裁判所はどうして環境汚染の企業責任及び問題を放置した政府部門の責任を追及しないのか。こう見れば、裁判所はただ企業と権力が結託して不法な利益を求める人たちの「政治道具」にすぎない」と、今回の訴訟案を分析した。
呉氏は今年4月13日に逮捕される前に、「地球環境の日」に、「世界の環境を胸に、地元から行動しはじめよう」というスローガンを掲げて北京へ陳情に行く予定だった。「その前に彼を逮捕したことは、当局は彼の行動を恐れており、北京へ陳情に行くことを阻止したいからである」と張建平氏は指摘した。
法廷の上で、呉氏は拘禁されてから、5昼夜連続で警察に拷問されたと訴えたが、裁判所は証拠不十分として、訴えを却下した。また、許さんは、今年5月に「国家環境保護模範市」の称号を宜興市に授与した中国国家環境保護総局を告訴したが、裁判所は訴状の受理を拒否した。
今年に39歳になった呉氏は、10数年来太湖の環境保護公益事業に尽力してきた。彼は環境破壊の状況を詳細に記録し、企業と行政が結託して環境を犠牲にし、不法な利益を求める内幕を暴露してきた。かつて2005年に民衆に「中国を感動させる人物」「中国の十大民間環境保護傑出者」などの候補者に推薦された。さらに、呉氏は何度も中国のメディアに「太湖の護衛者」「環境の護衛者」「環境保護の英雄」などと称えられた。
呉氏はかつて、「太湖南岸で生産額が億元を超えた環境汚染企業数百社のリストを掌握している」と表明したことがある。
関係者から情報によると、呉立紅氏の環境保護活動をやめさせるために、周鉄鎮政府当局はかつて、当時に南方吸音設備会社販売部の副マネージャーを担当していた呉立紅氏と6百万元の製品購入契約を交わすつもりだった。また、現地のある大手化学製品会社の社長は、呉氏に2千万元の製品輸出の貿易枠を与えると言っていた。その他、販売住宅を贈呈すると言う企業もあった。これらの不正な利益供与を、呉氏はすべて拒否した。呉氏はかつて「不正な利益は要らない。たとえ一日20元しか稼げなくても、それで心が穏やかに過ごすことができればいい」と話したことがある。
長期にわたり環境汚染問題を暴露したために、呉氏及びその家族は、何度も恐喝、脅しに遭い、住居は何度も壊されて、さらに拘留され、暴行されて入院したこともある。
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