【大紀元日本8月2日】駐シドニー中国領事館の元外交官・陳用林氏はこのほど、同領事館内部の極秘ファイルを公開した。これらのファイルは、同領事館が現地で、法輪功への批判を実行する詳細なマニュアルや、結果報告、担当責任者などを明記している。
陳用林氏は2005年5月に、中国駐シドニー領事館の政治参事を在任中に、豪州政府に政治亡命を申請した。同氏が今回公開した極秘ファイル「反法輪功渉外闘争専門小組分工表」(法輪功を反対する国外専門作戦チームの役割分担表、下略・役割分担表)と、「専門小組会記録」(専門チームの会議記録)は、2001年2月、駐シドニー中国総領事館が制定したものである。
極秘ファイル・法輪功を反対する国外専門作戦チームの役割分担表(大紀元)
ファイルは表形式で、極めて詳細かつ用意周到に全体マニュアルを記し、領事館の各部署の役割分担を細分化、各種の詳細ルートと方法を定めている。
そのファイルは、中国当局は国外で、主流社会や、メディア、政界に対し、法輪功を誹謗中傷したり、偽造した罪を着せたりして、怨恨宣伝を繰り広げている最も有力な証拠として評価されている。
また、2001年2月23日に作成した極秘ファイル・専門チームの会議記録は、領事館各担当部署による任務の実行結果などを詳細に記録。当時の施・副総領事と廖総領事の確認署名もある。
極秘ファイル・専門チームの会議記録(大紀元)
今回公開されたこれらの極秘ファイルによれば、中国在外公館の国外での法輪功への詐欺宣伝・迫害は、主に現地の中国人留学生の学生会と華人団体、華人メディア、所在国の政界要人を介して行われている。
中国人留学生を操る
上記の役割分担表ファイルは、領事館教育部の任務は、留学生を対象に、法輪功のマイナス宣伝を行うことと明確に定め、第6条は、「確実に信頼できる留学生を物色して、我々の情報収集に手助けさせる」、第7条は、「必要のある時に、留学生を操り法輪功を反対させたり、華人華僑に協力、法輪功を批判する展示看板、横断幕を共同作製させたりする」と記録。
陳用林氏は、「豪州と世界各地の大学で、中国人学生会が設立されている。彼らは民主活動家や、法輪功、その他の異見者による校内でのあらゆる活動を監視、中国在外公館に報告する」と話した。
2005年12月17日、豪州での陳用林氏の公開シンポジウムで、彼に、「お前は中国に帰れるとも思うのか?お前には未来があるのか?」と脅かす学生風中国人(大紀元)
2005年8月5日、豪州メルボルン大学が主催するシンポジウムで、陳用林氏の発言を妨害する中国人留学生(大紀元)
華人メディアに経済利益を供与、法輪功へのマイナス宣伝をさせる
役割分担表ファイルの第2条は、領事館政治研究部の任務を定め、「中国語と英語の法輪功批判の材料を作成、華人メディアに人民日報、新華社(注、中国当局の政府メディア)などの法輪功批判の文章を掲載させる」と記している。
専門チームの会議記録ファイルの第2条、第3条は、施・副総領事が現地の華人メディア「豪州新報」などに働きかけた結果報告や、現地の華人メディアに十数篇の法輪功批判文章を提供したことなどを記録。
「豪州新報」は当初、法輪功の活動広告を掲載した。そのため、中国領事館の働きかけで、最大のスポンサーである中国資本の企業が第一面での大きな広告を取りやめた。そして、同紙は中国領事館に妥協し、法輪功の広告を掲載しないことを約束、後に法輪功批判の文章を掲載し始めた。
陳用林氏は、中国在外公館が国外の華人メディアを操縦する方法は経済利益の供与などと証言した。
各国政界に浸透
役割分担表ファイルは、領事館政治研究部の任務について、「州・市政府と主流メディアへの工作を行い、書簡や、新聞公報などを作成、総領事の名義で送る。政府関係者と議員の中国訪問を推進」と定めた。
その実行結果を記録する専門チームの会議記録ファイルの第1条は、当時の廖・総領事が宴会を開き、ニューサウスウェールズ州知事、副知事、…南シドニー市市長などを招待し、その席で、法輪功問題の宣伝を行ったことなどを記した。
陳用林氏は、「中国在外公館による外国政府関係者と議員への浸透方式は主に以下の2つ。①便利を提供。例えば、中国への無料旅行に招待②文化交流の名目で経済利益を提供。例えば、ターゲットとなる人物の子弟に中国留学の奨学金と生活費を全額負担するなど」と説明した。
華人社会をコントロール
役割分担表ファイルは、領事館の華僑管理部の任務も定めた。第1条は、「華人団体を対象に、法輪功批判の資料を配布、華僑・華人に法輪功批判の座談会を開くのを促し、関連の記者会見を開かせたり、声明を発表させたりする」 第2条は、「華僑・華人に、ニューサウスウェールズ州や、地方政府、議会などへ法輪功批判の手紙を送らせる」 第3条は、「必要があれば、特定の日に、華僑・華人に法輪功に反対する活動を行わせる」と記した。
陳用林氏は、「華人社会をコントロールするのは、中共が国外における一貫的な政策。数十年間の注力により、一定の規模に達し、ピラミッド式の構造と体制を構築できた。華人団体を介して、国外の華人を団結させるとの口実で、華人社会を操縦している」と説明、「豪州や、欧州、およびその他の国々には皆中共がコントロールする華人団体がある。華人団体聨合会、あるいは華人団体総会、中国平和統一促進会などはその類に属する。そのほかには、専門家協会もある。これらは皆、中共が背後で操縦して設立した華人団体」と明らかにした。
、カナダの華人団体聨合会は2001年、当時のカナダ首相に書簡を進呈、中カ両国の友好関係を損なうとの理由で、駐カナダ中国在外公館の前での法輪功学習者の抗議活動を中止させるよう要請していた。陳用林氏はこの実例を挙げ、「実は、この書簡を作成したのは、駐カナダ中国大使館。後に、この書簡は、その他の国々の中国在外公館にも転送され、私が在職した駐シドニー中国領事館も受け取った」と明らかにした。
また、陳用林氏は、「法輪功への批判活動を展開している中国在外公館の幹部らは、法輪功を真に知っている訳ではない。中国当局による法輪功迫害の真相もあまり知らない。2001年の『天安門自殺』事件は、中国当局が法輪功に罪を被せ、集団迫害を正当化するために自作自演した寸劇であるとの真相すら、知らない」と指摘し、「今の多くの中国人と同様に、領事館の幹部らも、自分の利益に関わりのないことには、まったく無関心。彼らのその冷淡さにより、法輪功迫害の真相を知ることができない。彼らはすでに中共の詐欺宣伝を聞き慣れている」と分析し、「共産党のその体制は、このような中国人の心理状況をもたらした根本な原因であり、中華民族の文化・精神をすべて破壊させた。長垣xun_ネ来、共産党文化の洗脳教育を受け続けてきた人々は、極めて私利私欲に化し、自己利益しか念頭になく、他人の安否などに全く無関心である」と強調した。