【大紀元日本7月20日】香港の「人権と民主情報センター」によると、四川省峨嵋山付近の農民は、現地のアルミニウム製造工場から有毒ガスが漏れ出したことに抗議し、栽培するブドウとその他の農作物が被害を受けたと訴え出ている。
同センターはこのほど、「漏洩事故は6月24日に発生し、農民は7月10日からある主要道路を封じ、800万元(約100万ドル)の損害賠償を要求している」と公表した。
また、7月12日に、警察が道路での抗議者を退散させる際に、5人を逮捕した。その際10人が負傷したという。峨嵋山地区の現地政府関係者が抗議事件の発生を認めたが、「この種のガスによる人体への健康脅威があるかどうかは、環境専門機構の調査結果によって決める」と説明した。
また、7月12日午後10時40分頃、四川省攀枝花市の新宇・製薬工場で、塩素の漏洩事故が発生。合わせて107人の従業員が体調不良を訴えた。うち、8人は中毒症状が重いため、治療を受けている。四川省の副省長は、24時間フルタイムで現地の空気観測を行うことを命じた。
中国政府メディア新華社の報道によると、7月11日、温家宝・総理はある会議で、主要汚染物の削減目標を達成するには、「さまざまな困難」に直面していると警告した。
国家環境保護総局の周生賢・局長は7月上旬、国民は環境問題に不満を抱いていることから、いわゆる「群衆事件」を招いたと発言。それに対し、米国VOAは、「中国当局が間接的に民衆の暴動、抗議と集団陳情活動を指している」と報じた。同局長は、同様の事件の件数こそ公表しなかったが、同局は本年上半期の5ヶ月間、環境改善を求める嘆願状が合わせて1814通に上り、昨年同期に比べ、8%増加したことを明らかにした。
新華社の報道によると、同局長は、「地方政権の政府関係者は収入と就職口を増やすことにばかり専念し、現地の企業による環境汚染問題を厳格に管理していない」と非難した。
中国当局は日々深刻になる厳重な土地・空気・水汚染に悩まされている。2006年から2010年までに、主要汚染物の10%を削減すると約束したが、昨年は年間目標を達成できなかった。
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