中国玩具大群15年間漂流、今夏英国に到着

2007/07/04
更新: 2007/07/04

【大紀元日本7月4日】15年前に海難事故にあった中国貨物船から、2万9千個の子供向けの浴槽で遊ぶ色鮮やかなプラスチック玩具が海上に投げ出され、太平洋漂流が始まった。漂流した玩具は黄色のアヒルの大群にブルーの小亀およびグリーンのカエルなどが含まれる。アヒル玩具大群は地球の約半分を漂流し、今年の夏に英国海岸に到着する予定。

英紙「デーリー・メール」は、海洋学者のカーティス・エビスマイヤー氏が、大西洋の海流に乗り漂流したアヒル玩具大群は、今年の夏に英国の西海岸のカンウォールおよび南西部海岸に到着するとの予測を報道した。

エビスマイヤー氏は、これらの玩具は科学者たちの海流の研究にとって、非常に価値のあるものだとし、一般的に使用される漂流実験物より、玩具を発見した人々は喜んで政府関係者に報告し、海洋学者らはそれによって、迅速に海流状況を把握し分析を行うことができるとコメントした。

1995年、アヒル玩具大群はアラスカ、日本、北米などの地区を通過し、一部のアヒル玩具はハワイ海域で発見された。科学者らの分析によると、これらの玩具の漂流速度は海流中の水流より速いという。また、これまでに漂流玩具は日本、米国、カナダ、アイスランドなど多くの場所を通過し、もっとも遠く漂流した距離は2万7千キロメートルになるという。2001年、これらの玩具は豪客船「タイタニック」号が沈没した場所にまで到達したという。

アヒル大群は15年間の漂流を経て価値が急に高くなった。情報筋によると、米「The First Years」社はアヒル大群に対して、1個当たりUSD100(約1万2400円)でオファーするという。

*アヒル大群漂流の経過

・1992年1月10日、貨物船は太平洋東部海域で暴風雨に逢い、2万9千個の玩具が入っている貨物は海に投げ出された。

・1992年11月16日、アヒル玩具大群は北極の環状海流に流され、一度は浮氷で凍らされた。のち、ゆっくりとアラスカ海岸へ流された。

・1995年、アヒル大群はアラスカ、日本、北米などの地区を通過し、一部のアヒル玩具大群はハワイ海域で発見された。

・1995年から2000年、一部のアヒル玩具は環状海流を離れ、北へ漂流し始めた。ベーリング海峡を通過し、北極水域に入った。

・2000年、一部の玩具は北大西洋海域に入り、南へ向かい漂流し始めた。のち、一部の玩具は米国東北部海岸に到達した。

・2001年、豪華客船「タイタニック号」沈没した場所でアヒル玩具大群が発見された。

・2003年7月から12月、アヒル玩具大群は米国、カナダおよびアイスランドなどの海岸に到達した。

・科学者らは、アヒル玩具大群は英国海岸へ向かい漂流し、2007年夏に英国海岸に到着する予定。