臓器売買告発の中国民主党党員、韓国政府に難民認定される

2007/06/29
更新: 2007/06/29

【大紀元日本6月29日】中国大陸で弾圧されている中国民主党党員の袁文陸氏(52)=音読み=が28日、韓国政府に難民として受け入れられた。同政府が中国人を難民として認定したのは初めて。袁氏は韓国で、中国当局の政府関係者が死刑囚の臓器を売買しているなどの人権侵害現状を告発していた。

ソウル行政法院は28日、中国民主党党員の袁文陸氏とその妻、子供に対し、「難民として認定しないのは、不合理である」との理由を示し、袁文陸氏が韓国法務省を相手に起こした訴訟で、原告の勝訴を確定させた。

判決文には、「原告が居住国で政治見解を発表するなどの行動は、韓国での難民申請の条件を満たしている。人道主義の原則に基づいて、その家族も難民として認定すべきである」と記した。

韓国の連合ニュース6月28日付報道によると、判決文の中で、中国民主党党員・袁文陸氏は、中国当局による人権侵害を暴露したため、国際社会に対し、実質的に貢献したと説明したという。

韓国政府は、中国当局が民主党党員に対し、一貫して逮捕や、監禁、弾圧などの措置を取っているため、同氏を中国に強制送還すれば、当局の迫害を受ける可能性が高いと判断したようだ。

中国民主党は、1998年のクリントン米大統領の訪中を契機に、中国民主活動家らにより創立され、中国当局は政党登録の申請を受理したが、同大統領が中国を離れると弾圧を開始した。

袁氏は、息子が2002年に死刑に処された際、臓器を違法に売買されたという母親の訴えを受け、北京の米国大使館に訴状を渡そうとしたが失敗し、翌年、旅行者として韓国入りし、米国に亡命中の中国民主党党首の謝万軍氏に資料を郵送した。その後、英国BBCテレビが母親の訴えを取り上げ、中国の人権侵害が国際社会の注目を集めた。