【大紀元日本6月27日】6月25日、中国北京で、同市の今年最大規模の抗議デモ事件が発生した。中国工商銀行にリストラされた行員約千人が、北京市長安街に位置する中国工商銀行本店の前で抗議活動を行った。これに対し、数百人の公安警察が出動、抗議者と衝突した。現場の情報によると、700人~800人が公安当局に拘束され、2人が負傷したという。情報筋によると、抗議者たちは銀行にリストラされ、支払われるはずの補償金が延び延びになっていることに不満を募らせ、昨年より、全国各地からの元行員が北京本店に対し、何度も直訴を行ったという。
香港紙「明報」によると、25日午前8時から、全国19の省・市の千人近い元工商銀行行員は本店の入り口前で抗議を行った。抗議者は、銀行側は大量にリストラしたことに対し、法律に則り補償金の支払いは行っていないとし、銀行側の責任者と話し合いを求めた。これに対して、銀行側は外から中へ出入りできないように、門を閉めたという。当時、地元警察十数人が現場で、抗議者たちを追い散らそうとした。
午前11時ごろ、公安警察数百人が現場に駆けつけ、抗議者を追い散らし始め、付近に止めていた7、8台のバスに強制的に抗議者らを押し込もうとし、衝突が発生した。黒龍江省からの2人が負傷し、うち1人は意識不明になった。抗議者によると、抗議者たちを各地へ送り返すために、昼までに少なくとも700~800人が北京市郊外の馬家楼に拘束されたという。
一方、抗議者代表によると、工商銀行は昨年再編成した際、一部の行員をリストラし、行員に対して、1人当たり8千元(約12万3200円)の補償金を支払うと約束した。しかし、最終的に2千元(約3万800円)しか支払われておらず、その上、銀行側が行員の代わりに納めるはずの年金および医療保険費も支払われていないことから、行員たちの生活が保障されなくなった。昨年より、元行員たちは何度も北京へ陳情に出かけたが、いまだに結果が出ていないという。