中国総領事館と留学生団体は「密接な関係」=中国人学生会元リーダー

2007/06/27
更新: 2007/06/27

【大紀元日本6月27日】昨年5月、豪州政府に政治亡命した中国駐シドニー領事館の政治参事・陳用林氏が、中国在外公館が中国人留学生団体・華人組織を支配・操縦する実態を告白したのに続き、最近では、ニューヨーク大学の中国人学生会が、中国の真相を報道する新唐人テレビ主催の「全世界中国舞踊大会」開催の反対署名を展開したことから、中国在外公館が中国人留学生を背後で操りスパイ工作を図っていることが再び注目されている。ドレクセル大学商学部教授の謝田教授が自らの体験に基づいて証言を行った後、カリフォルニア工科大学の中国人学生会リーダーを歴任した李建中氏は、中国領事館と中国人留学生の組織が「密接な関係」を構築していたことを明らかにした。

李氏は以下のように証言した。

私は1996年に、カリフォルニア工科大学の「華人連誼会」の会長と、華人団体「中華団体工商連合会」の常務理事兼首席学生代表を務めていた。当時、南カリフォルニア州中国人学生会の活動は、私ともう1人のクラスメートが中国総領事館の指令通りに行っていた。そのため、当時のロサンゼルスの華人社会においては、私は「有名人」だった。

当時、私と学生会の他の主要メンバーらは、様々な公的社会活動に参加し、中国人学生の名義で、頻繁に新聞やラジオ、テレビなどに登場していた。大半の中国人学生は私たちが何をしているのかについて、ほとんど知らない。たとえ知ったとしても、総領事館の意向と言えば、それ以上追及されることはなかった。国内の親族やパスポートの更新、帰国などの問題に影響することから、中国人留学生のだれもが、総領事館の意向に沿うしかなかった。

総領事館の教育参事からある時、「学生は最も信頼できるのだ。華人団体のリーダーなんか、信用したことがない」と告げられた。

総領事館は主に学生会幹部を介して、中国人学生全体をコントロールしている。学生会の運営資金や、規程作り、幹部の選挙、活動の内容などすべてが監視・支配下に置かれている。ニューヨーク大学中国人学生会が、新唐人テレビ主催の「全世界中国舞踊大会」開催の反対署名を展開しているのを知ったとき、総領事館が背後で操っているのがすぐに分かった。

すべての中国人学生会は総領事館の資金援助を受けている。その見返りとして、幹部は定期的に領事館に報告しなくてはならない。学生会の規程の多くは総領事館の審査を得ている。例えば、コロンビア大学中国人学生会のホームページには、会の規程が総領事館に認可されていると明確に書き記している。

学生会の「暴走」を防ぐために、同会幹部選挙は通常小範囲で行われている。例えば、コロンビア大学中国人学生会の規程には、「会長は執行委員会から選ばれる、新しい執行委員会は新任の会長に任命される」などと定めている。このように、総領事館は支配を保持し、幹部選挙などの際は、大多数を占める留学生が蚊帳の外に置かれている。そのため、一部の学生会は、総領事館に背いて、民主選挙を実施しようとした。例えば、カリフォルニア工科大学の中国人学生は、総領事館が決めた学生会の名称「中国学生学者連誼会」の使用を拒否し、公に選挙を行い、香港、台湾出身の学生を会長に選出した。総領事館はそのことに激怒したという。

その後、総領事館は「信頼できる」一部の学生を集め、「米西南中国学生学者連誼会」を成立し、各大学の学生の会を代表する組織とした。このことで多くの学生に反発され、協力する人があまり多くなくなった。

私は1998年、初めてFBIからの電話を受け、呼び出された。FBIは、自分を含め、学生会の主要メンバーと、華人団体のリーダーらに目を付けているのがわかった。過去1年間に何をしていたのかなどと質問され、当時の学生会会長の身辺状況や、「天津海外聯誼会」(当時、私は副会長だったが、すでにあまり活動には参加しなくなった)の会長のことなどが聞かれた。

その後、私は総領事館との関係を断ち切ると決め、関連の組織から完全に身を引いた。いまでは、自分の過去の行いに深く後悔し、反省している。

中国、中国人、華人、中華民族、中国文化、共産党、共産党文化などを含め、真の中国の歴史や、中国当局の教科書に記述されている歴史などの概念について、多くの華人、特に中国国内から出てきたばかりの若い学生は依然、明白に認識できていない。多くの人々は共産党が改ざんした文化を中華文化と受け止め、数千年の中華文明を批判し、独裁専制を実行する共産党を中国人の代表とみている。中華民族が国際社会で悠久の文明と「礼儀の邦」という美称に恥じない、誇り高い立場を確立するためには、まず共産党に洗脳され、頭に押し込まれた害毒を取り除かなければならない。その切なる思いで、私は自分の体験に基づいて、この真実を語ったのである。