中国四川省:中学生死亡事件、民衆千人と公安流血衝突

2007/06/19
更新: 2007/06/19

【大紀元日本6月19日】中国人権民主運動情報センターによると、5月13日、四川省広安県九龍鎮の中学生・王強さん(15)は、2人組のならず者に殺害された。加害者の伯父が鎮の派出所所長であるため、加害者らを勾留せずに取り調べもしなかったことに、周辺住民千人以上がその不正に憤り、公安警察と衝突し流血事件へ発展した。今回の衝突で住民10人が負傷した模様。

センターによると、九龍鎮九龍中学校に通う被害者は、長期にわたり鎮内で暴力団行為を繰り返していた楊陽容疑者と楊昌容疑者に殺害されたが、派出所は両容疑者を勾留し取り調べもしなかったことから、数百人の生徒がストライキを行い、周辺の多くの住民と共に、被害者の死体を派出所へ運び、元凶を裁くよう強く求めたという。

5月17日、千人以上の民衆および百人の武装公安と流血衝突が起き、民衆10人は公安に怪我をさせられ、そのうち1人が腕を骨折したという。

今回の事件は外部へ広まらないように、九龍鎮は全鎮の通信手段を断たせたため、住民たちは対外への電話、インターネットによる連絡ができなくなった。

事件は最終的に、鎮内の定年退職した幹部が、北京中央指導層へ報告し、初めて中央の関心が寄せられたという。胡錦濤・総書記および温家宝・首相は同事件に対して指示を下したという。現在、公安局および九龍派出所の権力を笠に着て、鎮内で暴力団行為をしていた30人がすでに逮捕された。派出所を含む九龍鎮の高官6人はすでに「双規」(※)され、停職の処分を受けた。

※「双規」

近年では中国政府が一部官僚の汚職や横領を厳しく取り締まる際に実施している方法。「双規」とは決められた時間と場所で、自分の犯した問題と罪に対する反省を行うことである。「双規」されている間、行動の自由が全くない。通常、共産党と政府の高級幹部に対し、正式に逮捕、起訴する前に、党の規律組織である規律検査委員会が容疑者を「双規」して、本人から問題を徹底聴取し、これまでの調査で把握している内容と照合して罪を確定していくという一連の調査の最終局面である。「双規」は基本的には共産党内部のことで、一般人とっては重大な人権侵害となる。(新流行語辞典より)