【大紀元日本5月28日】北京五輪委員会安保責任者が5月15日、北京五輪の安全保護措置としてすべての参加者と官員に対して情報収集と「背景審査」及びリスク評価を行い、北京市はすでに専門の背景審査部門を設立したと話した。一方、中共公安部の内部通達とされる「五輪及び予選参加者の背景審査通達」が先週インターネットでリークされ、この内容によると、五輪の身上調査は国内外参加者全員に厳しく行い、「反体制者を最大限に排除する」など43の不適格条項も含まれる。
中新社の報道によると、北京五輪委員会副秘書長張述元氏が5月15日に、「中国突発公共事件及び緊急対応技術シンポジュウム」で五輪の安全保護について、北京の各公安局が各会場の保安を担当すると紹介した。張氏は、五輪が開催する前、北京市は、すべての参加者及び各政府の官員に対して情報収集を全面に展開し、「背景審査」及びリスク評価を行うと強調した。北京市はすでに専門の審査部門を設立したという。しかし、参加者の身上調査及び審査した結果については、国際社会の慣習に従い知らせないという。審査の内容について張氏は触れていなかった。
中新社の報道は、新華社、北京時報、体育新聞など中国主要通信社と新聞社及び新浪(Sina)、易網(Yiwang)、捜狐(Sohu)、中国ヤフーなどの各ニュースサイトで転載された。
一方、5月21日、海外の中国語サイトで、中共公安部が先月に地方の公安機構に通達した機密内部通知と言われる「五輪および予選参加者の背景審査の通知」がリークされた。同通達が各省や、自治州、市レベルの公安部門に対し、五輪に参加と予定する国内外の関係者全員に対して厳格な資格審査を行い、「反体制者や、法輪功学習者、直訴者などを厳しく監視する」など11項目にわたり43の不適格条項を含めた。また、資格審査で不適格となった理由について、外部に一切説明しないことを定めた。「この任務を高度に重視し、各レベルの工作チームを結成し、国内の安全を担当する部署の次長が自ら指揮し、関連の政府部門は積極的に協力する」という。
同通達が海外中国語でリークされ、多くの海外中国語メディアで報道された後、中新社の5月15日の報道は、転載されていた中国の各メディア及びニュースサイトから削除されたことが各捜索エンジンの調べにより分かった。
海外中国語サイトでリークされた中共公安部の内部通達の詳細は、次の通り。
一.背景審査(身上調査&資格審査)となる対象
(一)国際オリンピック委員会(IOC)の関係者
1.IOCのメンバー、IOCの招待客
2.国際競技団体連合 (ARISF) の幹部や、審判およびその招待客
3.各国と地域のオリンピックメンバー。選手や、代表団の幹部およびオリンピックに出席する政府関係者。
4.次期オリンピックの主催都市およびその他の招致都市の代表。
5.IOCと契約しているスポンサー。
6.参加選手と代表団。
(二)マスコミや、中継放送の業者および中継権利を購入した機構
(三)オリンピックのすべてのスタッフ。オリンピック組織委員会が正式に雇用した者、ボランティア、取引先、警備スタッフ、臨時雇用者などが含まれる。
二.背景審査(身上調査&資格審査)の基準
以下の11項目43種類に当たる人は、五輪及びその予選の資格審査の不合格者となる。
(一).敵対者
1.国外の敵対勢力、敵対組織のメンバー。
2.意識形態に重要な問題がある人。
3.『両非両乱』(非合法組織及び社会を撹乱する人)に積極的に参加した人。
4.国内の敵対者。
5.現に危害をもたらす可能性のある国内暴動の負傷者および死亡者の親族。
6.「反革命罪」あるいは、国家安全に危害を加えるその他の罪で、有罪判決を受けた人とその親族、密接に接触する人。
7.国外に逃亡した人およびその人と連絡する疑いのある者。
(二).法輪功などの宗教団体および「有害」気功組織のメンバー。
1.法輪功などの組織、その修練者および修練したことがある人。
2.国家の関連政府機構が認定した14種類「邪教組織」のメンバー、7種類の関連「邪教組織」のメンバー。
3.国家の関連政府機構が認定した14種類の有害気功組織のメンバー。
(三).宗教関係者
1.国内外の違法宗教組織のメンバー。
2.違法な宗教活動に参加するため、わが政府に処罰を受けた人。
3.違法な伝教活動に参加した人。
4.違法に宗教の書籍や、映像と音響製品を伝播した人。
5.国内外で違法な宗教組織や、機構、学校、教会およびその他の宗教集団を設立した人。
(四).民族分裂者
1.新疆ウィグル自治区の「三つの勢力」のメンバーおよびその国内外の関係者。
2.ダライラマの「亡命政府」およびその付属組織のメンバー。
3.民族の分裂を目的とするデモや、抗議活動などに参加した人。
4.国内外の民族分裂組織あるいは、その関係者を援助したことがある人。
(五).オリンピックに危害を加える可能性のあるマスコミ関係者
1.国外の敵対事業および敵対組織のマスコミの従業員。
2.長期的に我が党を反対する立場で、悪意に我が党と政府を誹謗中傷するマスコミの従業員。
(六).現にオリンピックに危害の行動がある非政府組織
1.外国政府に関連し、我が党と政府に対し、浸透や、転覆、破壊活動を実施している国外の非政府組織。
2.北京オリンピックに危害をもたらす可能性がある各種の非政府組織のメンバー。
(七).危険人物、直訴を繰り返す「要注意人物」およびその他の党に対する強い不満を持つ人
1.我が党と政府に強い不満を持つ人
2.直訴を繰り返す人
3.国外勢力と結託する「外国に不平不満を訴える」人
(八).司法機構の調査を受けている人、あるいは、刑事、行政上強制措置を取られている人
1.公安が立案調査している人
2.24時間監視を受けている人、取調べされる予定の人
3.犯罪容疑で勾留あるいは逮捕され、その後釈放されたが、容疑が完全に解除されていない人
4.各種の逃亡者
5.監視下の犯罪容疑者
(九).管制、執行猶予、仮釈放、重病治療の一時出所、政治権利の剥奪、およびその他の監獄外執行の刑事犯罪者、強制労働収容者
(十).テロリスト
1.テロ組織のメンバー
2.テロ組織とそのメンバーに支援、協力する人
3.テロ組織のメンバーの家族あるいは密接な関係者
(十一).違法組織のメンバー
1.登録していない政治組織のメンバー
2.登録していないのに、組織の名義で活動する人
3.インターネットサイトで、党への不満を煽ぐ違法組織のメンバー
この内部極秘通達は、各省や、自治州、市の公安機構に対し、「この任務を高度に重視し、各レベルの工作チームを結成し、国内安全を担当する部署の次長が自ら指揮し、関連の政府部門が積極的に協力する」とされ、特に万全に守秘し、弱みを握らせないこと、表面上は穏やかだが、内部では厳しく執行するなどを強調した。また、政権批判者や、法輪功学習者、直訴者などを厳しく監視することを命じ、資格審査が不合格の原因について、外部に一切説明しないことを定めた。
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