【大紀元日本5月6日】中国大型連休初日の5月1日夜、広東省、深せん市、北京市、河南省の一部など大範囲で、衛星テレビ番組の画面が約1時間に中断され、「共産党殺人党」など反中国共産党のスローガンが一分近く表示された。事件後の翌朝、中国の主要メディア数十社が同事件を取り上げ「ハッカーに攻撃された可能性がある」と報道したが、電波ジャックの内容については言及しなかった。同日夜から、同事件に関する報道は各メディアのウェブ上から消え、当局は同事件に対して報道禁止の姿勢を示した。
同事件を最初に報道した広東省主要紙「南方都市報」の報道によると、5月1日午後8時から同9時30分の間、地方チャネル以外の多くの衛星チャネルに、テレビ画面が突然信号が変わり、一部の市民が30秒以上の「反政府」スローガン画面を見ていたという。広東省テレビ局はクレームの電話に、衛星がハッカーに攻撃されたとし、具体的な原因については知らせされていないという。
AFPの報道によると、事件後の翌朝、中国の主要メディア42社が同事件を報道した。しかし、5月4日には「南方都市報」のネット上から削除された。調べによると、同報道は同日、各主要メディアのネット上から一斉に消えた。
本紙記者が事件後、広東ケーブルテレビデーター業務部に電話し調査したところ、電話に出た女性職員は、信号中断の原因について、「衛星信号は不安定であったため、外部の衛星チャネル信号を地方チャネルに切り替えた」と答えた。また、「一部の組織による画策された行為かもしれないが、迅速に対応したため、信号の中断時間は長くはない」と加えた。ジャックされた信号の内容について「我々は答えできません。関連問題は、すでに公安部門に処理してもらった」と説明した。記者はその後、広州市公安局に電話したが、「国家機密であるため、明らかにするものではない」との答えだった。記者はメディアの身分を明らかしたところ、電話が公安局の宣伝科につなげられたが、「すでに報道禁止と指示したではないか」と聞かれた。
中国大陸のネット論壇(掲示板)上の情報および海外中国語メディアに寄せた読者の情報によると、広東省のほか、北京、上海、四川省、南京、武漢など広範囲にわたり、同日夜に同じような電波ジャック事件があった。台湾中央社の報道によると、広東省の視聴者が見た「反政府」スローガンの内容は、「中共(中国共産党)打倒」「一党独裁を反対」など。新唐人テレビ局の報道によると、河南省の視聴者からのフィードバックによると、夜1日午後7時50分ごろ、北京衛星テレビ局で、「共産党殺人党、共産党邪教党」などのスローガンを1分以上映し出されていたという。
西安市在住の陝西省電視台の元記者・馬暁明氏は、中共当局の独裁政治下に、情報が閉鎖され、社会の公正が守られず、人権保障がない中国社会では、このような電波ジャックは迫害に抵抗する平和的な行為であり、大衆に真実を伝え、情報閉鎖を突破する正当な手段であるとコメントした。
近年にも中国大陸で反体制メッセージを流す電波ジャック事件がしばしば起きていたが、これまで「法輪功および海外反中(共)勢力による破壊行為」と攻撃していた当局の報道スタンスとは違い、今回の事件に対して、当局は報道禁止の姿勢を示した。当局は今回の事件により、中国内外で中国共産党関連組織から脱退する運動を中国大陸の民衆の間に更に広がるのを恐れているとみられる。
2004年12月、一部の海外中国人がインターネット上、中国共産党関連組織から離脱する声明を発表したことをきっかけに、脱中国共産党関連組織声明サイトが立ち上げられた。それ以来、同サイトで中国共産党関連組織から離脱する声明を発表した人数はすでに2140万人を超え、中国内外の中国人コミュニティで脱中国共産党ブームを引いた。特に最近、中国大陸からの声明者数が急速に増え、これまでの匿名より本名で声明発表を要求する人も多く現れている。この動きに対して、中共当局はこれまで沈黙を保っている。